電力各社の株主総会・決算発表終わる。自由化に向けた対応を説明
電力各社の株主総会が6月25日と26日に一斉に開かれ、来年4月からの小売り完全自由化などに向けた対応など、株主向けに経営方針の丁寧な説明が行われました。
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自由化まで1年。株主に経営方針訴え。無配に陳謝も
沖縄電力を除く、東京電力や関西電力など電力9社は25日、沖縄電力は26日に定時株主総会を開きました。東電は、電力自由化に向けて、持ち株会社に移行するための分社化の方針やその趣旨などを株主に説明。広瀬直己社長は「低廉な電気を安定供給するには各事業部門が自由化後の環境に合わせた事業戦略を描くことが不可欠など」と語り、持ち株会社への移行に理解を求めました。
厳しい環境が続く関西電力
関西電力は、2015年3月期連結決算で1483億円の最終赤字を計上し、4年連続の赤字となるとともに、株主への配当も3年連続で無配となりました。総会では業績悪化に対応するために今年4月に企業向け、6月には家庭向けの電気料金の再値上げに踏み切ったことについても説明。電力コストの負担増に利用者の不満が高まっていることを受け、森詳介会長は、「お客様の生活や産業活動にご迷惑とご心配をおかけし、深くおわび申し上げる」と陳謝しました。
電力会社の決算、原油価格下落の「恩恵」広がる
株主総会に先立って電力10社の決算発表が行われ、関西電力と九州電力の2社を除く8社が最終黒字を確保しました。前述のように、東日本大震災前まで原発依存度が高かった関西電力は、火力発電の燃料費がかさんだことなどから1483億円の最終赤字に陥り、九州電力も鹿児島の川内原発が稼働できない状態が続き、1146億円の最終赤字になりました。
黒字を確保した東京電力
原発を保有する電力各社は、原発の運転停止を代替する火力発電用の燃料費がかさみ、円安で海外からの燃料輸入コストが拡大する逆風を受けていますが、昨夏以降の原油価格の下落に伴う液化天然ガス(LNG)の価格低下で燃料費を減らし、黒字基調に戻りつつある会社も出ています。各社別には、東京電力が2期連続の最終黒字を確保したほか、北海道電力、四国電力、中部電力が4期ぶりに最終黒字となりました。ただ、中部電力と北海道電力は昨年の料金値上げの効果が寄与した部分も大きいといえます。
再稼働をめぐる質疑、原発廃止提案は否決
現在日本のすべての原発が運転を停止し、再稼働の時期が焦点となっていますが、原発再稼働をめぐる考え方についても質疑が行われました。
これまでに、九州電力の川内原発と関西電力の高浜原発が、国の原子力規制委員会の安全対策の審査で新規制基準に適合していると認められたほか、四国電力の伊方原発も7月中に新規制基準への適合が正式に認められる見通しで、再稼働に向けた手続きが進んでいます。一部の株主が原発の廃止などを求めた株主提案についてはいずれも否決されました。
このうち再稼働が全国で最も早いとみられている九州電力の株主総会でも、一部株主が再稼働しないよう求める提案を行いましたが否決されました。関西電力の株主総会では、筆頭株主である大阪市が原発廃止を求める株主提案を行いましたが、こちらも反対多数で否決されました。
まとめ
原発の保有の状況や再稼働の時期によって2015年度の電力会社の経営は大きく左右されることになります。以前と比べて原油価格が上昇基調にある中で、燃料安の恩恵が今後も続くのかどうかは予断を許しません。電力各社の間で経営体力の差が鮮明になる中で、2016年春の完全自由化を迎えることになります。自由化までに残された時間でどのような経営の工夫を展開するのか。各社それぞれが問われることになります。
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