うちわが使われるようになったのはつい最近です

うちわは古来貴族が顔を隠したりする装飾品や、戦国武将が戦いの指揮を執るときに使う軍配として使われていて、今のように一般庶民が涼をとるためや火おこしに使えるようになったのは、各地でうちわの生産量が増えた江戸時代に入ってからなんだそうですよ。
日本の伝統工芸品としては、京都の京うちわ、千葉の房州うちわ、香川県丸亀市の丸亀うちわが有名です。

涼しい風を作るだけじゃない！うちわの活用法は？

電気もかからず、暑さを感じたらすぐにあおいで涼しくなれるうちわは、便利な夏のアイテムです。
うちわは家庭の電気代の節約の役に立つだけでなく、さまざまな活用法があるんですよ。

• うちわはエアコンと併用して使い、節電効果を上げましょう！
• うちわはどこへでも持ち運びができるので、お出かけ先でも気軽に涼をとって熱中症を防ぎましょう！
• うちわを使いながら話をすると場が和やかになるので、夏の商談にもおススメ！
• 盆踊りや夏祭りなどの浴衣の装飾に使えば、ファッションセンスアップ！

この透明感と水しぶきの発想は驚き！「水うちわ」

うちわ一面に張られた和紙がなんと透明！
まるで氷を思わせる透明さが、涼しさを一段と演出してくれますよね。
「水うちわ」の名前は、舟遊びをする人が川の水にうちわをつけてあおぎ、水しぶきの気化熱で涼んだことに由来するのだそうです。
うち水に水うちわ、私たちは昔からエコな水の気化熱を納涼に上手に活用してきたんですね。
繊維の細かい雁皮紙を材料に天然のニスで塗って仕上げる水うちわはたくさん作ることができないので、数に限りのある貴重品なんですよ。

出典:美の紙工房：水うちわ「金魚」

透けた儚さが美しい！「京うちわ」

日本画風の絵柄も美しいのですが、切り絵のように作られた透かしが特徴なのが京うちわです。
お部屋に飾っておいても素敵なのですが、扇面はしっかりしているので、美しさと涼しさを両方とも満喫できますね。
宮廷で使われる御所うちわをルーツにする京うちわはインテリア性が高く、扇面いっぱいに季節の花などを透かしてデザインした両透かしのうちわは、外国からのお客さんにも人気だそうですよ。

出典:阿以波：並型片透うちわ「金魚」

かわいい元気な女子向けに！「房州うちわ」

ピンク色の鮮やかな花が、ステキですよね。
うちわをあおぐと汗をかいちゃう！なんて思っていても、こんなうちわならあおぐのも楽しくなりませんか？
房州うちわは国指定の伝統工芸品なのですが、つねに流行を意識して作られているので、流行に敏感な女性にぴったりですね。

出典:藤倉商店：房州うちわ「鮮花・浴衣生地」

粋な雰囲気を作りたい男性向けに！「房州うちわ」

同じ房州うちわでも、こちらはうって変わってシックな雰囲気ですね。
房州うちわは浴衣地を扇面に張って作られるので、一つとして同じ柄のないハンドメイドの一点物物のなので、持っているとステイタスがあがります。
これくらい落ち着いた柄のうちわなら、男性も自慢して持ち歩けそうですね。

出典:藤倉商店：房州うちわ「パッチ柄　緑浴衣生地」

派手すぎない素朴さがステキ！「日永うちわ」

日永うちわには和紙や布を張ったタイプがありますが、これは木綿に昔ながらの型を押して作った布を張ったうちわなのでとってもモダンで、使う人を選びません。
布地に押された型は昔ながらのものですが、ステキなデザインですよね。
日永うちわにはいろいろな大きさがあるので、自分の風の強さの好みでうちわをチョイスできるのも魅力です。

出典:株式会社　稲藤：日永うちわ「伊勢型もめん　海松　白」

カラフルで明るい雰囲気作りに！「丸亀うちわ」

和紙の優しさと光沢の美しい、カラフルなうちわです。
丸亀うちわは渋を塗って仕上げているから丈夫で、竹のしなりが良いのでわずかなスナップでたくさんの風を送り出すことができ、とっても涼しく実用的なんです。
金刀比羅宮参拝の土産物として考案された丸亀うちわは、全国のうちわ生産量の9割を占めています。

出典:うちわ工房　三谷：丸亀うちわ「小判色和紙渋うちわ」

透かしのデザインがカッコイイ！「奈良うちわ」

うちわに入った透かしが良いアクセントになって、持っていると涼しくなれそう！
モチーフは昔ながらのものですが、現代風なデザインなので、若い人が持ってもカッコイイですよね。
奈良うちわは奈良時代に春日大社の神官の手内職として発達したうちわですが、渋が塗られているので丈夫で、長く愛用できます。

出典:池田含香堂：奈良うちわ「中正」