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【自然電力インタビュー】自然エネルギーで限界費用ゼロ、罪悪感なく電気を使える世界へ

電力会社・電気料金プランの選び方

自然エネルギー由来の電気を使える「自然電力のでんき」の担当者にインタビュー! 自然電力のでんきのサービス内容や料金とあわせて自然電力の目指す世界について聞きました。どうして自然エネルギー由来の電気を提供しているのか、自然エネルギーの割合を高めることで世の中にどのような影響があるのか、考えを話してもらいました。

「自然エネルギー100%の世界は、つくれる。」――。

そんなキャッチコピーを掲げて、自然エネルギー由来の電気を供給している自然電力

自然電力のでんきのサービスにはどのような特徴があるのでしょうか。そして、自然電力が目指す自然エネルギー100%の世界とはどのような世界なのでしょうか。

自然電力株式会社で、自然電力のでんきを担当するエナジーデザイン部ゼネラルマネージャーの大迫直志さん、法人向けの営業を担当するエナジーデザイン部マネージャーの武山真紀さん、未来創造室マネージャーの松村宗和さんに話を聞きました。

左から、未来創造室・マネージャー松村宗和さん、エナジーデザイン部マネージャー・武山真紀さん、エナジーデザイン部ゼネラルマネージャー・大迫直志さん

自然電力とは

自然電力は、太陽光・風力・小水力などの自然エネルギー発電所で発電事業を行うエネルギー企業。設立は2011年で福岡県福岡市に本社があります。2016年の電力小売全面自由化以降、沖縄や離島を除く全国へ電気の供給を開始しました。

発電や電力小売の事業だけでなく、アートプロジェクトを通して自然エネルギーの認知度向上にも取り組んでいます。さらに、発電所のある地域の農産物を活かした製品をつくる農業支援プロジェクト、発電所の収益を利用して社会問題に取り組む事業者を支援する「自然基金」を設立するなど、さまざまな活動を行っています。

自然電力の那須豊原第一太陽光発電所

自社で発電、自然エネルギー由来の電気を供給 ―自然電力のでんきとは

自然電力のでんきの特徴は2つあります。1つは自然エネルギー由来の電気を提供すること、もう1つは30分ごとの市場価格に連動した料金プランです。

どのように自然エネルギーの割合が高い電気を用意しているのでしょうか。他の新電力ではあまり多くない市場価格に連動した料金プランを採用しているのはなぜでしょうか。自然電力のサービス内容について詳しく話してもらいました。

自然電力のでんきのサービスの特徴は?

自然電力にて小売事業を担当する大迫さん

大迫:我々の会社のビジョンに「自然エネルギー100%の世界をともにつくる」というのがあり、そのために自然エネルギー由来の電気を提供しています。

もともとは発電事業をやってきた会社ですので、自分たちで発電して電気を供給するようにしています。太陽光だったり、これからは風力や小水力だったりの自社の発電所と紐づけしていこうと思っています。

どのようなプランがありますか?

大迫:家庭向けのプランは2つあります。SE100とSE30というプランで、それぞれ自然エネルギー由来の環境価値が100%と30%になっています。SE100は環境価値のため少しだけ料金が高くなってしまうことがありますので、環境は気になるけれどリーズナブルに使いたい方のためにSE30のプランを用意しています。

SE100
実質的に「100%自然エネルギーに由来」「CO2排出量ゼロ」の電気を利用できます。地球の未来を考える方に人気のプランです。(※供給電力量分のFITを調達することで、実質再エネ100%の電力を供給する予定です。ただし、市場取引によって購入するものでもあるため、十分な量を調達できない場合があります。)
SE30
実質的に30%の自然エネルギー由来の電気を利用できるプランです。地球環境に配慮しながら月々の電気代を安くしたい方におススメです。(※使用電力量に対して30%分の「非化石証書(FIT)」を購入することによって、実質的に自然エネルギー30%の電気の供給を実現します。)
自然電力のでんきの電源構成は? どのように自然エネルギー100%、30%の電気を用意していますか?
自然電力のでんきの電源構成

大迫:53%、全体の半分強を自社の発電所で発電した自然エネルギー由来の電気でまかなっています。

しかし、例えば太陽光発電では昼は発電できても夜はできません。そういった自社でまかないきれない残りの部分に関しては日本卸電力取引所(JEPX)から調達しています。

自社の発電所の電気もFITの電源ですので、そのままでは環境価値がありません。自然エネルギー100%、30%の環境価値は非化石証書を購入することで実現しています。

FIT電気は再生可能エネルギー(再エネ)の導入促進のため国が一定の価格で買い取りをする固定価格買取制度を通して取引されている太陽光や風力などの再エネ由来の電気。その費用の一部を「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」として電気を利用する国民全体が負担するため、環境価値は費用負担者全体に配分されています。

市場価格連動、内訳の透明度が高い自然電力のでんきの料金

大迫:利用料金は電力の市場価格に連動する仕組みです。こういった料金にしている一番の理由は料金の内訳の透明度を高めたいと考えているためです。日本卸電力取引所の市場では30分ごとに電気の料金が変わっていて、それをそのままお客さまに見える形にして提供しています。

(1)基本料金電気を送る費用契約電流で変動
(2)従量料金電気を送る費用エリアごとの単価×使用量
事業を行う費用プランごとの単価×使用量
電気を買う費用30分ごとの市場価格×損失率を加味した使用量
(3)再エネ賦課金再エネ発電促進賦課金年度ごとの単価×使用量
自然電力のでんきの料金は「電気を送る費用(託送料)」、「電気を買う費用(電力調達費)」、「事業を行う費用」、「再エネ賦課金」によって決まり、表の(1)〜(3)の合計金額が請求されます。電気を買う費用については日本卸電力取引所の価格と連動して変わります。

大迫:一般的には日々の電気料金をあまり意識することはないと思うのですが、自然電力では明日のこの時間の電気料金がいくらになるというのが前日にわかります。

今後は「明日の電気料金がいくらになりますよ」という通知サービスのようなことができると良いと思っています。そうすると、高い時間には節電をしたり、反対に安い時間に電気を使おうなど、電気を使う人の側で生活にあわせてアレンジができるようになってくると思います。

料金を通知するサービスはすでに準備をしていますか? また、それにあわせて節電を促す企画などをする予定は?

大迫:通知サービスの準備はしています。

具体的な企画はまだ検討できていませんが、海外などでは(特定の時間に節電をするなどの企画が)ありますね。どういった内容がサービスにフィットするのかはわかりませんが検討はしていきたいと考えています。

市場価格連動の料金について利用者の方からの反応はどうですか?

大迫:電気料金が25円/kWhだとすると、電気を買ってきている価格と送られている料金と事業を運営するお金と3つの内訳を全部公開しています。透明性が高いところは、やはり「わかりやすい」と言っていただけていると感じています。

自然電力のでんきを選ぶメリット・デメリットは?

大迫:電気は必ず使うものです。電気を自然電力のでんきに切り替えていただけるだけで環境に良いこと、気候変動や温暖化のような問題に電気の切り替えでアクションを起こせるというところがメリットじゃないかなと考えています。

これまでと変わらない電気を利用できるので、今の電力会社から切り替えてもデメリットはないと思います。

「こういう電気を使いたかった」の声 法人には危機感も ―自然電力のでんきの利用者

自然エネルギー由来の電気を利用できる自然電力のでんきを使っているのはどのような人でしょうか。利用者が自然電力のでんきを選ぶ理由について聞きました。

利用者はどういった理由やきっかけで自然電力のでんきに切り替えていますか?

大迫:しっかり調査はできていないのですが、環境にも良い電気をそれなりにお得な価格で使えるためだと思います。環境だったり未来への意識が高い方に「こういう電気を使いたかった」と言っていただけることがあります。

「お子さんがいる世帯の方にも安心」(大迫さん)

ファミリーでお子さんがいる世帯の方にも安心して使っていただけていると思います。環境への意識の高い外国のお客様のなかには、自然エネルギー由来の電気を使えるサービスを探しているという方もいらっしゃるみたいです。

法人の環境や気候変動への対応はこの半年ほどで加速している

法人営業を担当する武山さん

武山:私は法人営業を担当しているのですが、気候変動に対してなにもアクションをしていないと、これから先は事業運営自体が立ち行かなくなると危機感を感じてらっしゃる需要家の企業があります。RE100といった取り組みの宣言をされているところもありますし、ESG投資対策もあります。

ESG投資とは環境・社会・ガバナンスを考慮して企業を評価、投資を行うこと。

そういう文脈で、環境についてやっぱりなにかしらのアクションをしていかなくてはいけないと思っている企業は増えてきているように感じます。そうはいっても料金が高くなってしまうとなかなか使いにくいと思うのですが、同じぐらいの金額を払うのであれば環境価値がしっかりついたものを、と選んでいただいているようです。

環境や気候変動への対応を重視する法人の声は増えているのでしょうか?

武山:RE100の加盟企業は国内でももう20社ほどまで増えていますが、私の肌感ではこの半年間くらいでスピードが加速してきたように感じます。

RE100では決められたクレジットがありますが、そのなかで私たちはトラッキング付非化石証書J-クレジットを提供しています。RE100の宣言をされた需要家の企業にはそういったプランを使っていただいています。

それ以外でCO2オフセットを目指す場合、普通の非化石証書のプランを使っていただいています。単純にPRという文脈の需要家もいらっしゃいます。顧客へのイメージや事業運営の持続性を担保するということで投資家へのPRとしても使っているのですね。

あとは、工場などで電気を切り替えると、そこでできた製品を「自然エネルギー100%でできた」とアピールできます。OEMの企業ではそこでできたものすべてがそうなるので、営業ツールにもなることがあります。実際にそういったPRをされているところもありますね。

法人はPRや投資対策のための電気の切り替えが多いのでしょうか?

武山:いろいろな新電力があるなか、自然電力を選んでいただいている理由の1つに私達が発電所を作れることがあります。うちの電気を使うことで、また新たな発電所ができて日本全体に再エネを広げることができる。自分たちが良いというだけではなく、自然エネルギーを広めることに共感し、活動をサポートしたいという需要家もいらっしゃいます。

自然電力のでんきで目指す、自然エネルギー100%の世界

自然電力が目指す自然エネルギー100%の世界になると世の中はどのように変わるのでしょうか。気候変動問題の解決だけではない影響があるといいます。

自然エネルギーの割合を高めていくことで起こる変化について、大迫さん、武山さん、松村さんそれぞれに考えを聞きました。

自然電力で自然エネルギー由来の電気を提供することにした理由はなんですか?

大迫:もともとは発電事業をやってきたのですが、2016年4月に小売全面自由化というきっかけもあったので、電気を作るだけでなく使うところまでデザインしたい、という意図で小売の事業をはじめました。

そもそも使われている電気のなかで自然エネルギーの割合を高めていかなければならないというのがあり発電事業をスタートさせています。その電気を小売で供給して使っていただければ、使っていただいたお金が循環して発電所への投資にまわっていきます。そうすると自然エネルギーの割合が増えていく好循環ができます。そういう循環を目指しています。

あとは、小売の自由化のタイミングで「自然エネルギー」と言っている新電力の事業者さんはそんなにいなくて、一般的にも自分たちが使っている電気を自然エネルギー由来にできるということがまだそんなに浸透していないだろうと感じました。そういう認知を高めていきたいというのがもう1つの理由ですね。

自然エネルギー100%が実現すると世界はどのように変わると思いますか?

大迫:変わることはいっぱいあると思っています。

まず「自然エネルギー100%の世界をともに作る」というビジョンの理由ですが、社内ではパーパスと呼んでいる「青い地球を未来につなぐ」というのを自分たちの存在意義にしているんです。そのために、自然エネルギー100%の世界にしていくのが重要だと考えています。

なぜかというと、1つは気候変動問題の解決です。もう1つは、ずっとやってきているエネルギー資源の取り合いの解決になっていくと思っています。

また、自然エネルギーのなかでも特に太陽光は分散型の電源です。いろいろな地域で使う人のそばに発電所を作れるんです。そうすると、経済の分散化や地域経済の循環、発展につながっていくとも考えています。

よく松村も話しているんですが、自然エネルギーは要は原価がかからないエネルギーです。「限界費用ゼロ社会」という言葉が話題になることがありますが、どんどん電化していく世の中で、いくらでも使えるということです。便利になる世の中で罪悪感なくエネルギーを使っていけるようになるのではないかととらえています。

「エネルギーの問題を解決することで子供たちにもっと安心する社会を」(武山さん)

武山:個人的な話になりますが、私には子供がいます。今のまま温暖化が進むと、10年後や20年後に子供たちがこのままの生活ができるのかということを非常に課題に感じています。それを解決できるのがエネルギーの問題だと思っています。

エネルギーの問題を解決することで子供たちにもっと安心する社会を残していけると思っているのがこの会社で働いている理由です。働く社会意義を感じています。

大迫:夏の東京って朝から暑すぎて外に出られなかったりしますよね。このペースで進んで、あと5年、10年経ったときに子供たちが全然日中遊べないじゃん、ということになったら嫌だなという感覚があります。CO2の問題と因果関係がどこまであるかというのはもちろんありますが。

松村:大迫が申し上げた限界費用ゼロの話に非常に興味があります。僕はもう38歳で、僕たちはここまで生きてくる間に慣れすぎてわからなくなっていますが、電気を使いまくれる社会って考えたことがあまりないんです。

VPP実証事業などを担当する松村さん

例えばお酒を作ろうと思ったとき、電気代のことを考えてやっていないことがいっぱいあります。介護の現場でも電気代がコストになってできていないことがあるわけです。限界費用ゼロになったとき、コストを考えてできていない相当のことができるようになります。いままで費用対効果を考えて節約していたときとは違った形で快適や安全や幸福を追求できるようになります。「限界費用ゼロのエネルギーの幸福の追求」というものが新しいフェーズで生まれてくるのがとても面白いと思っています。

例えばこれが開発途上国で考えると、電気によっての幸福や防げる不幸はかなりの域に及ぶのではないでしょうか。例えば、電化されていなかったところに遠隔医療ができるというとわかりやすいかもしれません。

車は当然電化するでしょうし、ドローンで人を運ぶようにもなるでしょう。たぶん、10年ほどの間に限界費用ゼロでドローンを使って人を運びまくれるという社会になってきます。そういったときに、人の命に関わるようなことから楽しみまでのいろいろな部分で社会を幸福にしたり不幸を減らすことが実現すると思っています。限界費用がゼロじゃないとできないことが多くあるでしょう。

ベーシック・インカムのような話ですが、水も食糧も電気で作れれば人が死なない社会につながる、(自然エネルギー100%の世界になるというのは)そういう大きなイベントであると考えています。

自然電力のでんきへの切り替えを「簡単に世界を変える一歩」に ―メッセージ

最後に、この記事を読んでいる自然電力のでんきや自然エネルギーに興味があるエネチェンジの読者に向けて、自然電力の大迫さん、武山さん、松村さんの3名からのメッセージをご紹介します。

武山:今使っている電気の内訳をそんなに気にしていないと思うのですが、ちょっと意識してもらえば日々のあらゆるシーンで使っている電気によってどこかで化石燃料が燃やされてCO2が出ています。紛争が起きたり、そのために国費が使われたりしているわけです。自分たちの国土で作ったエネルギーに変えることができたら、経済的にも環境的にも多くのことの解決になると考えています。どうせならお得で環境に良い電気をぜひ使っていただきたいと思っています。

大迫:電気のことに少し興味を持ってもらえると意外とおもしろいんです。変えていない人に説教がしたいわけではなく、変えることでいろいろなことに貢献できることを知ってほしいです。

松村:エネルギーってみんな興味ないですし、僕も興味なかったんです。月に約8,000円の電気料金って意外とかかる費用ですが、逆に言えば月8,000円で済む話です。1割下がっても「800円か、まーいっか……」みたいなレベルだと思うんです。一方で、テレビを見ていて「石油がある国は戦争しているなー」って思うのですが、普通はあまりそこは紐づかないはずです。エネルギーと世界平和はつながっている問題です。自分が世界の大きなうねりに直結しているという意識をもって、環境や紛争、貧困格差といった問題に対して、カジュアルに電気を切り替えるだけで良いアクションがとれる、簡単に世界を変える一歩になるというのを考えてほしいと思っています。

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