より高い価格で買ってもらえるプレミアム売電に変更して、売電収入を増やすってどういうこと?
この記事の目次
住宅用太陽光発電においては、発電した電力のうち自家消費したあとに残った余剰電力を売電することができます。
またこの際、地域の電力会社に売電するだけではなく、より高い価格で買ってもらえる新たな電力事業者(特定規模電力事業者、電力アグリゲーターなど)に売電することも選べるのはご存知でしょうか?
このような新電力事業者に売電先を変更する際のメリットや留意点などについて、今回は紹介いたします。
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- 更新日
- 2022年2月28日
プレミアム売電への変更で変わること
地域の電力会社から、より高く買ってくれる事業者へ売電先を切り替えることを、プレミアム価格での売電といいます。
余剰電力の売電先を地域の電力会社からプレミアム売電契約ができる新電力事業者に変更すると、何が変わって何が変わらないのでしょうか。
売電の買い取り単価が高くなる
太陽光発電には発電設備に高額な先行投資をしているわけですから、投資の回収を早めるという意味で余剰電力の売電収入を増やすことは誰もが期待することでしょう。売電先の変更を行うことで、この売電収入を増やすことができます。
なぜなら、新電力事業者は、地域の電力会社から売電先を変更してもらい、電気の調達量を増やすために、プレミアム価格を提供しているからです。これはつまり、固定価格買取制度(FIT)で定められた売電の最低単価(2013年度は38円/kWh)を上回る価格で買取ってくれるということです。
つまり、売電先を変更するだけで、売電単価が上がり売電収入全体を増やすことができます。そして、発電設備の投資回収が早まるというプラスの変化があると言えます。
なぜ高く買い取ることが可能なのか
実は、固定価格買取制度(FIT)で定められた売電単価は上限価格ではありません。
新電力事業者は、固定価格買取制度の売電単価より高い単価で買取っても事業が成立することから、プレミアムを乗せた売電単価で買い取ることができるのです。
売電価格を上げることについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。
売電先変更で変わらないこと
ひとつは、夜間等の発電していないときに電力を購入する買電先です。そして、もうひとつは固定価格買取制度で保証されている売電単価と期間です。
夜間等の買電先は地域の電力会社で変わらない
余剰電力の売電先を新電力事業者に変更した場合でも、夜間や雨などで太陽光発電で発電できないときに電力を買う買電先は、現時点では地域の電力会社のまま変わりません。
従って、売電先は新電力会社に変更しても、買電は地域の電力会社で変わらず、従来と同じ電気料金のプランを使用することができます。
新電力には電気を売るだけ、の理由
売電先を新電力事業者へ切り替えても、買電は地域の電力会社から引き続き買うのはなぜでしょうか?
これは、新電力事業者は現状、法律の規制から皆さんの家から買った電力を一般家庭などに小売することはできないためです。こうした事業者は、買い集めた電力を契約した工場やスーパーなどの大型施設などに売るのが一般的です。
しかし、2016年の電力自由化後には、売電と買電をセットにしたプランなどが提供されるようになっています。
電力小売りの自由化の詳細については、以下の記事で詳しくご紹介しています。
最低限の売電条件は変わらない
固定価格買取制度が適用される買取保証期間は法律で定められたもので、個別の電力事業者との契約ではありません。つまり、2013年度に発電を開始した設備であれば、どこの電力会社に対して売電するとしても、発電開始から10年間は最低でも売電単価38円/kWhの買取条件は保証されるということになります。
売電先を新電力事業者に変更したあとに、万一新電力会社が事業中止や倒産し買取サービスがなくなってしまった場合であっても、電力会社は申し込まれた買い取りを断れないことが法律で決まっています。
つまり、10年間を一定の価格で売電できる条件は継続され、売電契約の申し込みを断ることはできないので、契約先になにか問題が起こっても、売電収入や投資回収が大きく狂ってしまうということはありません。
プレミアム売電のリスクについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。
新電力事業者について
売電先に新電力事業者を選択する理由や選択できる地域について以下の留意点があります。
新電力事業者は売電先として自社を選んでもらうために、固定価格買取制度の買取価格にいくらか上乗せした価格で買取っています。この上乗せした分をプレミアムと呼び、プレミアムを加えた買取価格をプレミアム価格と呼んでいます。新電力事業者のプレミアムは、固定価格買取制度の買取価格にプラス1円というのが2014年冬時点の相場になっています。
つまり、殆どの新電力事業者における2013年度設置の太陽光設備に対するプレミアム価格は、38円+1円=39円/kWhとなっています。
現時点では、買い取りを実施する新電力事業者によって、プレミアム価格での買い取り実施の対象になっている地域が異なります。基本的にはA社は東京電力のエリアのみ、B社は東京電力と東北電力、といったイメージとなります。
しかしながら、2016年の電力完全自由化に向けて自然エネルギーの調達競争は加速していますので、今後は売電先を変更できる地域が拡大すると考えられます。
またプレミアム買い取り事業者の多くは、現在対象以外の地域であっても、連絡先などを登録しておくことで地域が広がる際にお知らせを受け取れるサービスを行っています。
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プレミアム価格で増える売電収入
太陽光発電は自家消費する電力の一部を自家発電で補えることに加えて、余剰電力による売電収入が増えることで投資回収を早め、経済的なメリットを得ることができます。
追加設備の出費がかからず、契約を変更するだけで売電収入を増やせる新電力事業者のプレミアム価格は大変魅力的と言えます。
節電により更に増える売電収入
売電収入をさらに増やすためには、節電をすることで発電している時間帯の売電量を増やすことも重要な取り組みです。
このように売電先をかしこく選択することに加えて節電をすることを通じて、売電収入はより増えることになります。
プレミアム売電や節電のメリットについては以下のURLを参照ください。
まとめ
今回は、売電先を変更することで何が変わり、何が変わらないのかを整理することで、お得な売電先を積極的に検討すること。また、そうした売電先に変更は節電と相乗効果があり、設備の投資回収が早まることなど経済的なメリットについて紹介しました。
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