託送料金とは 値上げすると電気料金にも影響する?
この記事の目次
本記事では、託送料金についてわかりやすく解説します。ニュースなどを見て、「託送料金とは何?」と気になった方はチェックしてみてくださいね。
- 更新日
- 2026年10月23日
電気料金の費用について

私たちが毎日利用している電気は、さまざまな費用をかけて供給されています。
一般的な電気料金の費用内訳は、「事業者の裁量で算定される費目」と「法令等により算定される費目」があり、後者に託送料金が含まれています。
託送料金とは
託送料金がどのような費用なのか、詳しく解説していきます。
託送料金の意味と仕組み
電力に携わる事業者は、大きく3つに分けられます。
- 発電事業者:電気をつくる
- 送配電事業者:電気を家庭や企業に届ける送配電網を管理・運営する
- 小売電気事業者:消費者に電気を販売する
そして託送料金とは、上記のうち送配電事業者が管理・運営する送配電網の利用料のこと。送配電網の管理や設備投資などに充てられています。
原則として、託送料金は小売電気事業者が送配電事業者に支払いますが、2024年4月からは発電事業者も一部(全体の約10%)を負担する「発電側課金」が導入されました。
託送料金は一般家庭の電気料金のうち、実に30〜40%程度を占める要素。このため、改定されると電気代に直接影響することは頭に入れておきましょう。
なお、送配電事業者のうち、経済産業大臣の認可を得た事業者は「一般送配電事業者」と呼ばれています。
託送料金は電気料金に含まれるかたちで消費者に転嫁
託送料金は「託送料金相当額」として算出され、毎月の電気料金に含まれています。
原則としては、小売電力会社が送配電事業者に託送料金を支払っています。しかし、その費用を電気料金の一部として利用者に転嫁しているため、実質的には電気を使う家庭や企業が負担しているというわけです。
また、託送料金相当額には、契約アンペア数または契約容量に応じた基本料金相当の固定費用と、電気使用量に応じた従量費用の2種類が含まれています。
なお、算出方法は電力会社によって異なりますが、同じ供給エリア内であれば、電力会社を切り替えても託送料金単価は変わりません。
託送料金を管理する仕組み(レベニューキャップ制度)
託送料金の単価は、2023年4月に導入された「レベニューキャップ制度」によって管理されています。
制度の主な目的は、電力の安定供給や再生可能エネルギーの導入拡大、デジタル化などへの投資を十分に行える収入の確保と、コストの効率化の両立です。
流れとしては、一般送配電事業者が5年間の規制期間ごとに事業計画を策定し、収入上限(レベニューキャップ)の承認を受けたうえで、託送料金を設定しています。
また、物価の上昇など想定外のコスト変動が生じた場合は、規制期間中であっても変更申請が可能です。
この制度に基づき、各社が収入上限の範囲で託送料金を設定・改定しています。2023年4月や2026年11月の電気料金の見直しも、この仕組みによるものです。
託送料金の値上げ情報
ここでは、これまでの託送料金の値上げ情報をまとめました。
【2026年11月】託送料金が再び値上げ
2026年11月、北陸電力エリアを除く9エリアの一般送配電事業者により、託送料金が改定されます。これを受けて、旧一般電気事業者9社も電気料金の見直しを発表。
ここでは改定の対象エリアと、エリアごとの一般家庭への影響額について解説します。
なお、この託送料金改定を含む電気代全体の値上げ動向は、以下の記事でも解説しています。
電気代の値上げ情報について、詳しくはこちら。
電気代の値上げ最新情報まとめ!電気料金は今後いくら高騰する?
対象エリア
2026年11月の改定では、北陸電力を除く9エリアについて、託送料金の改定に伴う電気料金の見直しが行われます。エリアごとの値上げ幅は、次のとおりです。
| 送配電業者 | 改定前 | 改定後 | 値上げ幅 |
|---|---|---|---|
| 北海道電力ネットワーク | 10円23銭 | 12円12銭 | 1円89銭 |
| 東北電力ネットワーク | 10円31銭 | 12円09銭 | 1円78銭 |
| 東京電力パワーグリッド | 8円58銭 | 9円65銭 | 1円07銭 |
| 中部電力パワーグリッド | 9円13銭 | 10円76銭 | 1円63銭 |
| 関西電力送配電 | 7円82銭 | 9円04銭 | 1円22銭 |
| 中国電力ネットワーク | 9円34銭 | 10円46銭 | 1円12銭 |
| 四国電力送配電 | 9円22銭 | 10円74銭 | 1円52銭 |
| 九州電力送配電 | 9円34銭 | 10円89銭 | 1円55銭 |
| 沖縄電力 | 11円53銭 | 13円52銭 | 1円99銭 |
上記は、各一般送配電事業者が公表した低圧の託送料金平均単価(1kWhあたり・税抜)です。上記は家庭の電気代の値上げ額を示すものではなく、小売料金への反映額や時期は、電力会社・電気料金プランによって異なります。
電気料金への影響額
ここでは2026年11月の改定について、1カ月の電気使用量を260kWhと仮定して、一般家庭への影響額を試算しました。
なお、改定後の料金は11月検針分(2026年11月1日以降の検針分)から適用されます。
| 電力会社 | 改定前 | 改定後 | 値上げ額 | 値上げ率 |
|---|---|---|---|---|
| 北海道電力 | 11320円 | 11803円 | 483円 | 4.3% |
| 東北電力 | 9206円 | 9691円 | 485円 | 5.3% |
| 東京電力EP | 9308円 | 9562円 | 254円 | 2.7% |
| 中部電力ミライズ | 9308円 | 9703円 | 395円 | 4.2% |
| 北陸電力 | - | - | 改定なし | - |
| 関西電力 | 7899円 | 8307円 | 408円 | 5.2% |
| 中国電力 | 8795円 | 9158円 | 363円 | 4.1% |
| 四国電力 | 8949円 | 9427円 | 478円 | 5.3% |
| 九州電力 | 8105円 | 8471円 | 366円 | 4.5% |
| 沖縄電力 | 10163円 | 10753円 | 590円 | 5.8% |
上記の電気料金は、北海道電力・東北電力・東京電力エナジーパートナー(以下、東京電力EP)・中部電力ミライズ・九州電力は「従量電灯B」(30A)、関西電力・中国電力・四国電力は「従量電灯A」、沖縄電力は「従量電灯」を契約していて、月の使用電力量を260kWhと仮定して試算。燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金を含む。
【2023年4月】託送料金が値上げ
レベニューキャップ制度に基づき、2023年4月1日から託送料金が値上げされました。
再生可能エネルギーで発電された電気を送るための設備の新設や、老朽化した送電線の更新などのため、収入を増加させる必要があるというのが値上げの理由です。
この改定に伴い、次の旧一般電気事業者がそれぞれ電気料金の見直しを実施。改定内容は、2023年5月検針分から適用されています。
- 東京電力EP
- 中部電力ミライズ
- 北陸電力
- 関西電力
- 中国電力
- 九州電力
電気料金が上がったときにできること
託送料金は、電力会社を切り替えても金額が変わらない費用です。そのため、託送料金の値上げ分を回避する方法はありません。
ただし、電力会社・電気料金プランの見直しや節電など、電気料金全体を抑える方法はいくつかあります。
使っていない家電の電源は切っておくなど、毎日のちょっとした節電から取り組んでみることをおすすめします。
託送料金は電気代にも影響する費用
託送料金は、電気料金の費用のひとつであり、金額が変更されれば電気料金の増減につながります。
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