ラジエントヒーターのメリット・デメリットは?電気代が高いって本当?
この記事の目次
オール電化にするときに、キッチンをラジエントヒーターにするか、IHクッキングヒーターにするか、迷う場合があります。ラジエントヒーターの特徴や電気代、設置する目的、メリット・デメリットを説明します。
- 更新日
- 2021年12月14日
ラジエントヒーターってどんなもの?IHとの違いは?
ラジエントヒーターとは、渦巻状にしたニクロム線を平らのセラミックプレートの下に埋め込んだ調理器具で、ヒーター自体が発熱して鍋を直接加熱します。
最近は、IHクッキングヒーターの3口目にラジエントヒーターが組み込まれているものが多くみられます。
ラジエントヒーターとIHクッキングヒーターとの違いは以下の通りです。
- ラジエントヒーター
- ヒーター自体が発熱して鍋を直接加熱します。IHクッキングヒーターでは使えない耐熱ホーロー鍋や、超耐熱ガラス製の鍋を使えます。スタンド式の網を置いてトーストや餅などが焼けます。
- IHクッキングヒーター
- IHと呼ばれる電磁線を使った調理器具で、鍋やフライパンなどの調理器具を電磁波で振動させて加熱します(IH専用調理器具が必要です)。IHクッキングヒーター本体は熱を発しません。熱伝導が非常に高いため、エネルギーロスが少なく、とろ火から強火まで細かい火加減の調節が可能です。
この記事では、ラジエントヒーターについて説明しています。IHクッキングヒーターの特徴や電気代については以下の記事で紹介しています。
ラジエントヒーターを設置する目的は?
ラジエントヒーターを設置する目的としてはどんなものがあるでしょうか?以下に見ていきましょう。
- 今まで使っていた鍋も使いたい
- IHクッキングヒーターにするとIH専用鍋しか使えませんが、ラジエントヒーターは今まで使っていた鍋も引き続き使えます。
- あぶり焼きなど調理の幅が広がる
- ラジエントヒーターはトーストや餅を焼いたり、海苔などのあぶり焼きができるのでIHクッキングヒーターよりも調理の幅が広がります。IHクッキングヒーターと両方の機能が欲しい場合は、IHクッキングヒーターにラジエントヒーターを組み込んだものが便利です。汁だれする食材は網で焼けません。
ラジエントヒーターのメリット・デメリットは?
次に、ラジエントヒーターのメリットとデメリットを見ていきましょう。
- IHクッキングヒーターでは使えない鍋が使える
- 値段がIHクッキングヒーターより安い(3口全面IHよりも、ラジエントヒーターが1口埋め込まれているほうが安価)
- ヒーター部分が熱くなる
- IHクッキングヒーターより熱効率が低い
- IHクッキングヒーターより火力が弱い
- 加熱面が焦げ付きやすい
ラジエントヒーターはIHクッキングヒーターのようにえる調理器具が限られることなく、本体価格も安いというメリットがある反面、IHクッキングヒーターよりも火力が劣る、熱効率が低いといったデメリットがあります。
ラジエントヒーターの電気代はIHクッキングヒーターより安い?高い?
ラジエントヒーターとIHクッキングヒーターはどちらのほうが電気代が安く、エコなのでしょうか?ラジエントヒーターはIHクッキングヒーターよりも電気代が高い、と聞いたことがある方もいるでしょう。
エムエフジーの遠赤外線スーパーラジエントヒーター「FG-600TR」の場合、1時間あたりの消費電力・電気代は以下の通りです。
- 消費電力
- 90W~2,300W
- 電気代
- 2.79円~71.30円
電気料金は、全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」から1kWhあたり31円(税込)として計算しています。
ラジエントヒーターとIHクッキングヒーターの電気代比較
ラジエントヒーターの消費電力・電気代をIHクッキングヒーターと比べてみましょう。パナソニックのIHクッキングヒーター「KZ-G33XST」と比較すると、以下の通りです。火力を強くするほど消費電力が高くなり、電気代がかかります。
1時間あたりの消費電力 | 10分あたりの電気代 | ||
---|---|---|---|
ラジエントヒーター | ヒーター | 90W~2,300W | 0.47円~11.88円 |
ロースター(グリル) | 700W~1,400W | 3.62円~7.23円 | |
IHクッキングヒーター | ヒーター | 90W相当~3,000W | 0.47円~15.50円 |
グリル | 750W相当~1,450W相当 | 3.88円~7.49円 |
ラジエントヒーターとIHクッキングヒーターの電気代にはそれほど違いがありません。
ただし熱効率を比較すると、ラジエントヒーターよりもIHクッキングヒーターのほうが熱効率が約90%と高いです。ラジエントヒーターは熱効率が落ちてしまう分、余計な電気代がかかるため、IHクッキングヒーターのほうがエコであるといえます。
参照:IHについて|よくあるご質問|パナソニック
目的に合わせてラジエントヒーターを選んでいきましょう
ラジエントヒーターはIHクッキングヒーターより熱効率は低いですが、使える鍋の種類が多い、調理の幅が広がるなどメリットもあります。
IHヒーターの機能もラジエントヒーターの機能も欲しい場合は、IHクッキングヒーターにラジエントヒーターが組み込まれているタイプがおすすめです。目的に合わせて選んでいきましょう。