エアコンの消費電力とすぐ見直せる5つの省エネのポイント
この記事の目次
夏の暑い日や冬の寒い日についついたくさん使ってしまうエアコン。エアコンをつけていれば快適!だけど、電気代の請求書がコワイ!なんて不安に思っていませんか?
そんな不安を解消するために、エアコンの消費電力はどれくらいなのか、そしてエアコンの消費電力を抑えるための5つの対策をご紹介します!
エアコンの消費電力はどれくらい?
- 年間を通じた消費電力
- 世帯あたり電気使用量の7.4%(342kWh)
- 夏の日中の消費電力
- 午後2時頃の平均消費電力の53%(636W)
- 冬の夕方の消費電力
- 家電全体の30%
意外と少ない!?年間を通じた消費電力は世帯全体の7.4%(342kWh)!
1年間のトータルで考えると、エアコンの電気代が家計の出費に占める割合は全体の7.4%(342kWh)と、それほど大きいものではありません。
平成23年度資源エネルギー庁の推計によると、家庭で使う家電製品の消費電力の世帯あたり電気使用量4,618kWhにおける割合は、
- 冷蔵庫 14.2% 658kWh
- 照明器具 13.4% 619kWh
- テレビ 8.9% 411kWh
- エアコン 7.4% 342kWh ⇐ 意外と少ない!
消費電力が大きく、毎日使う家電製品の電気代が家計の出費で大きいことがわかりますね。
半分以上も!?夏日中の消費電力は家電全体のなんと53%(636W)!
一方で、エアコンの使用頻度が増えるのはなんといっても夏ですが、夏の盛り7~9月の日中にエアコンが家庭の電気代に占める割合は53%(636W)にも達します。
- エアコン 53% 636W ⇐ 断然トップ!
- 冷蔵庫 23% 276W
- テレビ 5% 60W
- 照明器具 5% 60W
住んでいる地域によって差はありますが、エアコンは1年中コンスタントに使用するものではなく、季節による使用量の差がとても大きい家電製品なのです。
やっぱり多い!寒い冬の夕方は家電全体の30%!
逆に寒さの厳しい冬12~2月の夕方は、エアコン暖房の電気代は家電全体の30%程度。
夏のピークに比べれば少ないとはいえ、冬もエアコンの電気代は大きな出費であることは間違いありません。
消費電力対策その1 エアコンの買い替えで43%(709kWh)の節電が可能!
エアコンの消費電力がどれくらいか、そして消費電力を抑えるには意外と大事な室外機について知っていただいたところで、エアコンの消費電力を抑える方法をご紹介します。
エアコンの消費電力を抑えるために、まず考えて欲しいのは、エアコンの買い替えです。
冷蔵庫にテレビに扇風機、毎年さまざまな省エネ家電がメーカから生み出されていますが、家庭で使う家庭製品の開発目的はなんといっても「省電力」!
なかでも進化が著しいのは、エアコンなんですよ。
最新のエアコンは10年前とくらべて省エネでお得!
最新のエアコンは、マイルドで体に負担をかけない風を作ったり、空気中の浮遊菌を除菌する機能が付加されていたりと、とても機能が向上しています。
しかも省エネ性は高いので、買い替えによる節約効果で年間18,370円もの電気代節約ができるんですよ!古いエアコンを使っている場合には、積極的に買い替えを考えていくのがおススメの節約方法といえますね。
お部屋のサイズにみあったエアコン選びで買い替えの節約効果アップ!
買い替えのエアコン選びのポイントは、お部屋のサイズに見合った容量のエアコンを選ぶことです。
サイズの小さいエアコンを広い部屋で使用しているとエアコンに過大な負荷がかかり、余計な電力を消費してしまうんです!
引越しなどでエアコンを使いまわしている場合には、一度見直しをしてみて下さいね。お部屋の広さが同じでも、木造や鉄筋などの建材や建物の構造、窓の向きなどによって冷暖房効率が異なりますから、カタログに記載された畳数を目安にエアコンをしっかり選んで買い替えて、節約効果をあげていきましょう。
買い替えの効果は「しんきゅうさん」で実感できます
家庭で使っているエアコンの買い替えを考える時には、環境省が提供する「しんきゅうさん」を使うととっても便利です。
おおむねの年式や容量さえ分かれば、型番がわからなくても検証ができるので、簡単に買い替え効果を実感できますね。
消費電力対策その2 エアコンを賢く使えば電気代はもっとお得に
買い替えだけでなく、今あるエアコンの無駄を見直すのも節約効果を上げるために大事なことですね。
エアコンの仕組みが理解できたところで、これまでの使い方を見直して、さらに賢く節電・節約をしていきましょう。
空気を循環させて効率アップ!(約112kWh)
エアコンが送り出した冷たい空気は放っておけばお部屋の下の方に溜まり、暑い空気は部屋の上部に集まってしまいます。いつまでたっても室内が冷えない原因はコレなんです!
これでは冷房効果も半減してしまうので、エアコン使用中は扇風機やサーキュレータで空気を循環させて、室内の温度差をなくしましょう。ムラなく空気を冷やすことで、エアコンの消費電力が節約(約112kWh)できますよ。
室内機のフィルター掃除はこまめに!(約32kWh)
室内機のフィルターがゴミやホコリなどで目詰まりすると、余計な電気がかかります。フィルターが詰まっていると吸い込む空気量が少なくなり、部屋を冷やす効率も低下していますので、夏の時期は室内機のフィルターは2週間に1度は掃除するように心がけましょう。
エアコンの消費電力が節約(約31.95kWh)できますよ。
設定温度を下げずに風量を増やす!(約30~53kWh)
エアコンを自動運転にしていて設定温度を下げると風量も自動でパワーアップするので、「エアコンの温度を下げると早く冷える」と勘違いをしてはいけません。
温度を1℃下げれば13%も無駄な電力を消費するだけでなく、結果的に空気を冷やし過ぎて体調不調を引き起こしかねないので、早くお部屋を冷やしたいなら温度設定を変えるのではなく、風量を増やすほう効果的です。
エアコンによっては「パワフル」などの、目標温度を変えずに風量を一時的に増やして素早く冷やす機能がありますので、こういった機能を活用したり、扇風機を使うのも効果的ですよ。
冷房時の設定温度をを28℃に設定にすると、年間30.24kWhの省消費電力になり、暖房時の設定温度を20℃に設定にすると、年間53.08kWhの省消費電力になります。
室温をキープして消費電力の増加を防ぐ!
エアコンは室内温度や湿度を調整し、涼しいor暖かい気流を作りだして快適な空間を作ってくれる家電製品ですが、夏のエアコンの消費電力は、外気温と設定温度の差が大きくなればなるほど大きくなります。
「温度を下げようとする」=「大きな電力が必要になる」わけですね。室内温度に大きな変化が起きないよう、ドアの開け閉めを少なくしたり、ブラインドなどで窓からの熱を遮るなど、室内温度をキープするよう心掛けましょう。
エアコンは自動運転で運転する!
エアコンの電気代を節約しようと考えると、こまめにON/OFFをしてしまいがちですが、エアコンは運転開始時に多くの電気を使います。
エアコンのコンプレッサーが動作しない時間を長くすれば電気の消費を抑えることができるので、エアコンはこまめにスイッチを入り切りするのではなく、自動運転モードで運転するほうが無駄な電力消費を抑えられて電気代がお得!
素早くお部屋を冷やしたい時には風量をあげるのがおススメですが、節電という意味では風量設定も自動モードのほうがお得なんですよ。
室外機周りもきちんとチェックする!
室外機周りに物を置いたり草が茂っていたりするとエアコンの効率が落ち、電気代が多くかかってしまいます。室外機まわりの環境は常に整えておきましょう。
消費電力対策その3 エアコン冷房にかかる電気代を節約!
エアコンに無理をかけずに、電気の無駄をなくしましょう。
外が暑くなる前にエアコンをつけましょう
夏は節約のためにと無理をして、気温が上がるまでエアコンを付けないようにギリギリ我慢は節電・節約の逆効果!
外気と室内温度の差が小さければ小さいほどエアコンに負荷はかからず、消費電力が節約できますから、夏は午前中から早めにエアコンをつけて、電気の無駄をなくしましょう。
除湿(ドライ)は賢く使いましょう
湿度は温度を感じるバロメーターなので、エアコンの除湿(ドライ)機能を使えば設定温度を下げずに涼しさをより感じやすくなるので、どんどん活用していきしょう。
除湿機能は温度を下げずに湿度だけを下げる「再熱除湿」と、冷房しつつ湿度を下げる「弱冷房除湿」の2種類があり、電気代がそれぞれ違うので、空調の目的によって上手に使いこなしましょう。
夏は室外機周りを涼しくすると節電効果がアップ!
室外機が日光にさらされて熱くなると、冷房効率が低下してしまうので、冷房をする時は室外機周りを涼しく工夫をして節電効果をあげましょう。
すだれやサンシェードなどで日よけを設置したり、打ち水をすると効果的ですよ。
消費電力対策その4 エアコン暖房にかかる電気代を節約!
冬はせっかく暖めた空気を逃がさないように断熱をしっかりとして、電気の無駄をなくしましょう。
窓から熱が逃げるのを防ぎましょう
せっかく暖めた空気を窓から逃がさないよう、冬は厚手の床までしっかり覆える長めのカーテンに架け替えて、熱をお部屋にキープしましょう。
窓ガラスに貼り付ける断熱シートや、窓用省エネスプレーなども効果的ですよ。
適切な暖房器具を選んで使いましょう
エアコン・ファンヒーター・オイルヒーター・電気ストーブ・こたつ・ホットカーペット・電気毛布・電気ひざ掛けとさまざまな暖房器具がありますが、それぞれ消費電力量が違います。
暖房器具ごとの消費電力や特徴を知り、暖めたい場所・目的ごとに電気代が少ない暖房器具を上手に使い分けていきましょう。空気の循環をする扇風機やサーキュレーターも、暖房効果アップに効果的です。
暖房器具ごとの特徴や電気代について、詳しくは以下の記事でご説明しています。
消費電力対策その5 エアコン以外で夏を涼しく快適にする方法は?
電気に頼らない!涼しく過ごす生活の工夫を取り入れましょう
暑さをしのぐ方法は、エアコンのスイッチを入れるだけではありません。電気を使わない工夫で節電をしながら、エコで快適な涼しさを満喫しましょう。
エコで快適な涼しい過ごし方のポイント
- 窓からの熱の侵入を防ぎましょう
- せっかくエアコンで空気を冷やしても、窓から直射日光が入り込むと室温は再び上昇してしまいます。冷房中はカーテンやブラインドなどを閉め、窓辺にすだれやよしずなどを設置して、室内に入る熱をブロックしましょう。
- 換気扇の使いすぎに注意しましょう
- 台所の換気扇は排煙のために思った以上のパワーがありますので、回しすぎると快適な空気も外に逃がしてしまいます。換気扇は帰宅した時に、部屋にこもった暑い空気を逃がすために5分間使い、その後は切って室温を守りましょう。
- 気温にあわせた服装や暑さ対策グッズも活用しましょう
- 夏は薄手の、汗を吸い取ってくれる服のほうが涼しさを感じやすくなります。冷感素材の服など市販されていますので、積極的に活用していきたいですね。
- 服だけでなく暑い時にはうちわや保冷剤を活用して、少しでも快適に過ごせるように工夫をしていきましょう。
エアコンの消費電力とすぐ見直せる5つの省エネのポイント まとめ
エアコンの消費電力が全体の消費電力に占める割合は、季節や時間帯によって大きく異なります。
- 年間を通じた消費電力
- 家電全体の7.4% (342kWh)
- 夏の日中の消費電力
- 家電全体の53% (636W)
- 冬の夕方の消費電力
- 家電全体の30%
家電の中でも比較的大きなエアコンの消費電力を抑えるためには5つの消費電力対策が有効です。
- 1)エアコンの買い替え
- 古いエアコンは買い替える(709kWhの消費電力対策効果)、部屋のサイズに合ったエアコンを買う、「しんきゅうさん」で買い替え効果を実感
- 2)エアコンの使い方を改める
- 空気を循環させる(112kWhの消費電力対策効果)、フィルターはこまめに掃除する(32kWhの消費電力対策効果)、設定温度を下げずに風量を増やす(30~53kWhの消費電力対策効果)、室温をキープする、自動運転を利用する
- 3)エアコン冷房の使い方を工夫する
- 外が暑くなる前に使う、除湿をうまく使う、室外機周りを涼しくする
- 4)エアコン暖房の使い方を工夫する
- 窓から熱が逃げるのを防ぐ、適切な暖房器具を使う
- 5)エアコン以外でも夏を快適に過ごす
- 窓の外の日除けや遮熱フィルムを活用する、換気扇を運転し過ぎない、快適な服装をすることも忘れない
エアコンの消費電力について知ることで、過ごしづらい季節も賢く乗り切りましょう!
年間平均34,352円節約できます!
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