ガス自由化Q&A その3:ガス自由化でガス料金は本当に安くなったの?
ガス自由化で、私たちの生活はどう変わったの?
Q1.なぜ、ガス自由化でガス料金が安くなったの?
私たちにとって、ガス自由化の一番のメリットは、ガス代が安くなったということですが、ガス料金が安くなる仕組みも知っておきましょう。
日本で使用されるガスは、一部の国産ガス(全体の3%)を除いて、原料であるLNG(液化天然ガス)のほとんどを海外から輸入しています。
これまでのガス料金の計算法である「総括原価方式」では、LNGの輸入や輸送にコストがかかっても、十分な採算が上げられる仕組みになっていたので、ガス会社は価格よりも安定性を重視し、紛争などのリスクが少ない原産地と、10年単位の長期契約を結んでLNGを仕入れていました。
しかし、ガス自由化後は「安く仕入れ安く販売する」という市場原理が働き、他社よりも料金を下げるためにも、より安くLNGを仕入れる必要があります。
例えばLNGの仕入れ契約を1年程度のスポット契約に切り替え、その年ごとに最もコストがかからない産地からLNGを購入するなど、各社が企業努力を行うことで、私たちが支払うガス料金の単価が安くなるのです。
Q2.ガス自由化では、どんな企業が参入するの?
電力自由化では、ガス会社や商社、石油会社、さらには携帯電話会社などが電力事業に新たに参入し、大きな話題になりましたね。
ガス自由化では、東京電力や関西電力などの大手電力会社が家庭向けガス事業へ参入しています。
Q3.なぜ電力会社はガス事業に参入できたの?
ガスの原料であるLNGを最も多く使っているのは、当然ガス会社だろうと考えがちですが、実は日本でLNGを最も多く使用しているのは電力会社なのです。
東京電力と中部電力のLNG調達の合弁会社であるJERAでは2017年時点で、年間約3,500万トンものLNGを輸入しています。一方の東京ガスのLNG輸入量は年間約1,400万トン、大阪ガスは900万トン。電力会社のLNGの大部分は、これまで主に火力発電などに利用されてきましたが、LNGを大量に安く入手できるルートがあることは、ガス事業においても大きな強みです。
一方ガス会社最大手の東京ガスでは、JERAへの対抗として、年間4,000万トン近いLNGを調達している韓国ガス公社と連携を進めましたが、その後韓国ガス公社はJERAとも提携を進めるなど、ガスマーケットは混とんとしています。
これらの動きからも、エネルギー資源を持たない東アジアの国々が、安定的なエネルギーをできるだけ安く得ようと、さまざまな戦略を試みているのがわかりますね。
電力会社とガス会社を中心に競争が進んだ結果、電気とガスをセットで契約するとおトクになるプランなどが登場しています。健全な競争が、私たちにとっておトクなガス料金プランの登場につながっているんですね。
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