「赤帽の引越し費用は安い」という声を耳にしたことがある人はいるかと思いますが、「手間がかかってしまい、費用も割高になってしまった」という意見もあるようです。今回は赤帽をじょうずに利用しておトクに引越しをするためのポイントを紹介します。

「赤帽」は引越し業者でも運送会社でもない

赤帽といえば「軽トラックで荷物を運んでくれる会社」とイメージする人も多いでしょう。そもそも赤帽はどんな会社なのでしょうか？

赤帽は貨物軽自動車運送事業者が集まった「事業協同組合」

赤帽は、軽トラックなどの貨物軽自動車を使用して運送業を営む個人事業主の集まりです。

「中小企業等協同組合法」に指定されている「事業協同組合」にあたり、引越し業者でも運送会社でもありません。正式名称を「全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会」といい、北海道から沖縄まで全国にある44の協同組合で組織されています。

赤帽は引越しだけでなく、定期的な荷物の配送・宅配便で送れない大きさの荷物の運搬・緊急時の荷物搬送などに対応しています。

個人事業主の集まりですが赤帽の拠点が窓口になっているため、荷物の運搬を依頼する際は配車拠点へ連絡すれば、最寄りの赤帽組合員を手配してもらえます。直接組合員へ連絡して手配することも可能です。

赤帽で使用するのは荷台2.0m×1.4mの軽トラック

赤帽で使用するのは軽トラックです。荷台フロア長約2.0m×荷台幅約1.4mのもの、もしくは荷台高約1.8m（車種によって異なる）の幌つきのもので荷物を運搬します。

宅配便や引越し業者の場合は、2トントラックや4トントラックなど運ぶ荷物の量によって車の大きさを変えて対応してますが、赤帽の場合は軽トラックのみの使用なので、一度に運べる荷物の量が少ないです。

赤帽は荷物の量に制限はありますが、家の前の道幅が狭くて引越し業者のトラックが対応できない場合でも、赤帽の軽トラックなら対応できることがあります。また、赤帽は夜間の作業にも対応可能で、荷物を夜間に運んでほしいという要望にも応えてくれます。

赤帽の引越し費用が安い理由は1名で対応するから

赤帽の引越し費用が安いといわれる理由は、2つあります。

• 運べる荷物の量が少ない（軽トラック1台分）
• ドライバー1名だけで作業をする

引越し業者の場合、荷物の量によって複数のスタッフが対応しますが、赤帽は基本的に1名で対応します。

1名だけで運ぶのが困難な大きな荷物なら、依頼者も作業を手伝わなければならない場合もあるので、あらかじめ注意しておきましょう。希望をすれば2名で対応してもらうことも可能ですが、車を2台手配することになるため、その分料金がかかります。

「赤帽」で見積もりをとる前に知っておきたい！おトクになるケースと注意点

赤帽は、すべての引越しについて引越し費用が安くなるというわけではありません。引越しの条件や内容によっては、引越し業者を利用する方がおトクになる場合もあります。
赤帽で引越しを検討する際に、事前に把握しておきたい注意点があるので紹介します。

近距離・少荷物・短時間作業の場合は、赤帽がおトク！

赤帽の公式サイトを見ると、2時間以内に作業が終わり走行距離が20km以内での引越しで車両1台ドライバー1名で対応できる場合は、東京1万3,500円（平日料金）、北海道1万1,880円（平日料金）など料金が決まっています。

赤帽の見積もりは荷物の量や移動距離、作業内容によって決まり、この条件に合わないと料金が高くなる場合があるので注意しましょう。

赤帽

1万3,500円（税込）/1台（軽トラック：荷台フロア長約2.0m×荷台幅約1.4m）1台1行程・ドライバー1名、土曜・日曜・祝祭日は2割増

ヤマトホームコンビニエンス「単身引越しサービス」

2万1,000円（税込）/1ボックス（内寸1.04m×1.04m×1.70m）早期申込割引や平日割引などあり

「作業時間：2時間以内」「走行距離：20km以内（東京）」「スタッフ：1名」「荷物量：軽トラック1台分」の場合で比較してみると、赤帽の方がおトクですね。

梱包材は自分で用意しなければならない

引越し業者の場合は段ボールやガムテープなどの梱包材がサービス内容に含まれていて、事前に準備し持ってきてくれることがほとんどですが、赤帽の場合は梱包材を自分で用意しなければならないため、注意が必要です。

梱包材は購入せずスーパーなどからダンボールをもらってくるなどして、引越し費用をできるだけ抑える工夫をするとよいでしょう。

荷物が多い場合や土日の引越しは割高になることもある

赤帽の引越しで始めに予定していたよりも荷物が多くなり、軽トラック1台に荷物が収まらなくなってしまうと、追加した軽トラック分の料金がかかるので注意しましょう。

また、作業日が土曜・日曜・祝祭日になる場合は料金が2割増しになります。日程の調整ができるなら、平日に引越しをすることで引越し費用を抑えられるでしょう。

「赤帽」でおトクに引越しするための見積もり方法は？

引越しの費用を抑えて、スムーズに引越しをするための見積もり取得方法についてポイントをご紹介します。

赤帽の見積もり依頼は公式サイトから

赤帽の公式サイトにある「引越見積」ページから手続きをします。見積もりの取得は無料でできます。見積もりの流れは以下の通りです。

単身・家族選択

単身引越か家族引越かを選択する

基本情報入力

氏名、連絡先、引越し予定日などの基本情報を入力する

現住所と引越し先

現住所の詳細と引越し先の住所を入力する

家財詳細入力

荷物の量や種類などを入力する

入力内容を確認し送信まで完了したらあとは最寄りの赤帽加盟店から、メールか電話で見積もりの連絡がくるのを待つだけです。

3月や4月など人の移動が多い時期は引越しの繁忙期なので、できるだけ早く申し込みましょう。

• 「家族引越」に対応していないエリアがある
• 見積もり依頼は引越し予定日の1カ月半前から

急ぎの場合や質問がある際は、フリーダイヤル（0120-400-111）もしくは、最寄りの赤帽協同組合・支部・営業所に電話するとよいでしょう。
参照:赤帽の問い合わせ窓口

近距離の引越しなら「赤帽」がおトク！

赤帽で引越しをする際の注意点や見積もりの方法について紹介しました。

赤帽の引越しがおトクになるのは、移動距離が20km以内で作業時間が2時間以内、荷物が軽トラック1台に収まる場合です。それ以外の場合は、逆に引越し業者や宅配業者に比べて割高になることもあるので注意しましょう。

遠方への引越し、荷物が多い家族での引越し、土日の引越しなどは、赤帽よりも引越し業者へ依頼した方がおトクにになることがあります。おトクに引越しをするには、赤帽と他の引越し業者社の見積もりを比較するのがおすすめです。

また、近距離で荷物が少なく短時間で完了する引越しの場合でも、忙しくて梱包材の用意ができなかったり、引越し準備の時間が作れなかったりすることもありますよね。引越し費用が割高になっても手間や時間をかけず、スムーズに引越しができ、納得できる引越し費用なら、引越し業者を選択するのもよいでしょう。

「引越しの一括見積もりサイト」を利用してみる

複数の引越し見積もりをとる際は、引越し一括見積もりサイトの利用が便利です！さまざまな引越し業者からの見積もりと赤帽とを比較してみて、自分の引越しの条件に合ったおトクな引越しをしましょう。