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関西電力の大型石炭火力発電所が千葉県内に建設へ

電力自由化ニュース

関西電力が100万kW規模の石炭火力発電所を千葉県に建設する方針を固めました。関西電力で初となる首都圏の発電所建設について、その目的やメリット、自由化全体への影響を説明しています。

関西電力は石油元売り大手の東燃ゼネラル石油とともに、千葉県市原市に大型石炭火力発電所を建設する方針を固めました。各種報道によりますと、両社が共同で建設するのは、出力100万キロワット規模の石炭火力発電所で、投資額は3000億円規模と見られています。

関西電力で初となる首都圏の発電所

関西電力が東京電力の供給エリアである首都圏に発電所を設置するのは初めてで、新設される石炭火力発電所は2020年代半ばの運転開始を目標とする見通しです。2016年4月に解禁される電力小売りの全面自由化を約1年後に控え、従来の供給エリアの枠組みを越えた電力会社の競争が活発化していますが、関西電力のこの取り組みは、自由化時代に関東で電気を積極的に売ってゆくという関電の強い意志の現れといえます。

100万kWの火力発電所で、関西電力は首都圏へ足場を築く

報道によりますと、発電所は関西電力の子会社が東燃ゼネラルと共同出資で特別目的会社を設立して、この会社が東燃ゼネラルのグループ会社の敷地内に建設する予定です。100万キロワットという出力は原子力発電所1基分にあたり、運転開始すればかなりの電力を生み出すことができます。

関西電力と共同事業者のメリットとは

関西電力は東京電力の牙城であった首都圏に自前の発電所を持つことで、首都圏での電力調達にメドが立ち、関東と関西の広域で販路を確保できるようになるメリットがあります。また、東燃ゼネラル側にも、保有している製油所の土地などを有効に活用できるほか、電力事業に参入して新たな収益源にすることができるなどメリットは大きいといえます。

自由化後の電力市場全体がより活性化される

首都圏では東京ガスがLNG(液化天然ガス)発電所や石炭火力発電所の新設や増強に取り組むなど、電力自由化時代をにらんだ準備を着々と進めています。関電が本格的に首都圏に進出することで、逆に東電の関西への進出が本格化されたり、他の電力会社もこれまでの供給エリアから越境して他地域に進出したりするなど、従来の発想を超えたビジネスの展開が起こってくることが予想されます。

嶋田宏実
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