オイルヒーターの電気代が高すぎる?実際の製品を使って計算してみよう
この記事の目次
オイルヒーターは、輻射熱(ふくしゃねつ)で部屋をじっくり暖めます。空気も汚れにくくお手入れも簡単、運転音も静かなので、さまざまな暖房器具がある中、メインの暖房器具として使っている方も多いのではないでしょうか?
でも長時間使っていると、オイルヒーターの電気代が気になりますよね。オイルヒーターの特徴やメリット・デメリットをまとめ、消費電力から電気代を計算してほかの暖房器具と比較しました。電気代を節約しながら、効率よくオイルヒーターを使う方法も紹介します。
- 更新日
- 2024年11月11日
オイルヒーターの特徴
オイルヒーターは放熱して部屋全体を暖めるため、温風を送風するタイプのエアコンやセラミックファンヒーターなどに比べて、運転中の音が小さく空気が乾燥しにくいのが特徴です。
オイルヒーターとは、どんな暖房器具?
オイルヒーターは、温めたオイルを本体内部のパイプ内に循環させて放熱し、輻射熱で部屋を暖める暖房器具です。
オイルヒーターと同じように輻射熱で暖めるタイプの暖房器具には、ハロゲンヒーターやカーボンヒーターなどの電気ストーブ、パネルヒーターなどがあります。
オイルヒーターの特徴を、メリット・デメリットに分けて見てみましょう。
- オイルヒーターのメリット
- 温風が出ないので、乾燥したり、ホコリやハウスダストが舞って空気が汚れたりしにくい。
- 燃料の補充や交換が不要、普段は本体を軽く拭いて掃除するだけでよいので、手入れが簡単。
- オイルヒーターのデメリット
- つけてから暖まるまで時間がかかる。
- 長時間つけっぱなしにして使うことが多いので、電気代がかかる。
オイルヒーターの消費電力はどれくらい?
デロンギとアイリスオーヤマの商品を例に、オイルヒーターの消費電力を見てみましょう。
- 弱:500W/中:700W/強:1,200W
デロンギのヴェルティカルド オイルヒーター「RHJ10F0812-SG」は、電源のオンオフを24時間タイマーで設定できます。
また、表面温度が約80℃と低温になるように設計されているので、火傷や火事の心配も少なく安全性が高い製品です。
- 弱:500W/中:700W/強:1,200W
アイリスオーヤマのウェーブ型オイルヒーター「KIWHH-1212D-W」は、ウェーブ型のフィンで従来のオイルヒーターよりも表面積が広く、熱効率が高くなっているのが特徴です。取っ手とキャスターで移動も楽にできます。また、タオルハンガー付きなので、お部屋を暖めると同時に、タオルの乾燥や温めもできます。
オイルヒーターの電気代は?
紹介した商品の消費電力から、オイルヒーターの電気代を計算してみましょう。
実際の製品を例にオイルヒーターの電気代を計算
今回紹介した2つの商品は、消費電力が同じなので電気代も同額です。1時間あたり、1日あたり、1カ月(30日)あたりの電気代を計算すると、以下の通りです。
電気料金は、全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」から1kWhあたり31円(税込)として計算しています。
- 1時間あたり
- 弱:15.5円/中:21.7円/強:37.2円
- 1日あたり
- 弱:372円/中:520.8円/強:892.8円
- 1カ月(30日)あたり
- 弱:11,160円/中:15,624円/強:26,784円
オイルヒーターの電気代は、1日つけっぱなしにすると372円~892.8円もかかるんです!
ほかの暖房器具と電気代を比較
暖房器具にはさまざまな種類がありますが、オイルヒーターの電気代は、ほかの暖房器具と比べるとどのくらい違うのでしょうか?
ここではいくつかの暖房器具と比較しますが、電気ストーブ(ハロゲンヒーター)・電気カーペット・パネルヒーターなどはピンポイントを暖めるものなので、オイルヒーター・エアコン・セラミックファンヒーターのように全体を暖める暖房器具の使用目安の畳数と同条件で比較できません。
あくまで目安として参考にしてみてくださいね。
エアコン暖房の電気代
三菱「MSZ-ZW2825」を参考にすると、8畳〜10畳向けのエアコン暖房の場合、1時間あたりの電気代は最小能力時3.3円、最大能力時61.4円です。
この例の場合、エアコン暖房の最大能力時の電気代は、オイルヒーターを強で使うときの約1.7倍です。
エアコンは運転中に消費電力が大きく変化するため1時間あたりの電気代を正確に計算できないため、最小・最大能力時の消費電力を使って目安となる電気代を計算しています。
参照:三菱ルームエアコンZシリーズ「MSZ-ZW2825」|三菱
セラミックファンヒーターの電気代
シャープ「HX-TS1」を参考にすると、木造3畳~6畳/コンクリート4.5畳~8畳向けのセラミックファンヒーターの場合、1時間あたりの電気代は弱17円、強37円です。
この例の場合、オイルヒーターとセラミックファンヒーターは、強で使うときの電気代がほぼ同額です。
参照:プラズマクラスターセラミックファンヒーター「HX-TS1」|シャープ
電気ストーブ(ハロゲンヒーター)の電気代
テクノス「PH-1212(W)」を参考にすると、電気ストーブの場合、1時間あたりの電気代は弱24.8円、強37.2円です。
この例の場合、オイルヒーターと電気ストーブは、強で使うときの電気代がほぼ同額です。
参照:直管型ハロゲンヒーター「PH-1212(W)」|テクノス
電気カーペットの電気代
パナソニック「DC-2HAC3」を参考にすると、2畳タイプの電気カーペットの場合、1時間あたりの電気代は中7.1円、高9.9円です。
この例の場合、電気カーペットを高で使うときの電気代は、オイルヒーターを強で使うときの約10分の3です。
1時間の電気代は、室温15℃の場合で計算されています。
参照:着せ替えカーペットセットタイプ「DC-2HAC3」2畳相当|パナソニック
パネルヒーターの電気代
山善「DOL-J121」を参考にすると、パネルヒーターの場合、1時間あたりの電気代は弱15.5円、中21.7円、強:37.2円です。
この例の場合、パネルヒーターを強で使うときの電気代は、オイルヒーターを強で使うときと同額です。
参照:オイルレスヒーター「DOL-J121」|山善
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オイルヒーターの電気代を節約する方法は?
オイルヒーターは輻射熱でゆっくりと部屋を暖めるので、電源を頻繁にオンオフするよりもつけっぱなしにしておくことが多くなります。空気の乾燥や汚れを防ぎ、お手入れも簡単なのはうれしいですが、電気代が気になりますよね。
電気代を節約しながら、オイルヒーターを効率よく使う方法を紹介します。
ほかの暖房器具などと併用する
暖めたい場所や範囲などの条件と合わせて、オイルヒーターとほかの暖房器具を併用すれば、電気代が節約できます。
- 電気カーペット・電気毛布・こたつ
- 足元や下半身などをピンポイントで暖められるので、部屋全体の温度が低めでも暖かさを感じやすくなります。
- 電気ストーブ・パネルヒーター
- 速暖性があるので、オイルヒーターが暖まるまでの間、ピンポイントですぐに暖まりたいときに使うのがおすすめです。
また暖かい空気は上のほうに溜まるため、扇風機やサーキュレーターを上に向けて回して空気を循環させる方法もおすすめです。オイルヒーターは、温度調整を上げるほど消費電力が多くなり、弱から強に上げると2.4倍も電気代が高くなります。
空気が循環すると、部屋の温度が均一になって暖かさを感じやすくなるので、無駄に温度調整を上げることがなくなって電気代が節約できます。
サーキュレーターと暖房器具の効果的な併用方法について、以下の記事で紹介しています。エアコン暖房・ヒーターは扇風機・サーキュレーターで部屋の空気を循環させて電気代を節約!
窓から入ってくる冷気を断熱する
日本建材・住宅設備産業協会のデータによると、冬の暖房時は窓の開口部から58%の熱が出てしまっています。
窓からの冷気を断熱して、暖めた部屋の空気を逃がさないようにしましょう。
- 窓ガラスを、二重窓や断熱ガラスにする。
- 厚手のカーテンや断熱カーテンをする。
- 窓に断熱シートや断熱フィルムを貼る。
オイルヒーターの電気代が気になる方は電気料金プランを見直そう
オイルヒーターの特徴や電気代、節約方法などを解説しました。オイルヒーターの電気代をほかの暖房器具の電気代と比較すると、以下の通りです。
種類 | 1時間あたりの電気代 | ||
---|---|---|---|
オイルヒーター | 弱:15.5円 | 中:21.7円 | 強:37.2円 |
エアコン(暖房) | 最小能力時:3.3円 | - | 最大能力時:61.4円 |
セラミックファンヒーター | 弱:17円 | - | 強:37円 |
電気ストーブ(ハロゲンヒーター) | 弱:24.8円 | - | 強:37.2円 |
電気カーペット | - | 中:7.1円 | 高:9.9円 |
パネルヒーター | 弱:15.5円 | 中:21.7円 | 強:37.2円 |
オイルヒーターの電気代は、ほかの暖房器具と比べて特別高いわけではありません。ただし時間をかけてじんわり部屋を暖めるオイルヒーターの性質上、長時間使用することが多いため、ほかの暖房器具に比べて電気代が高くなる傾向があります。
オイルヒーターの電気代の節約方法には、窓からの冷気の断熱やサーキュレーターの併用で部屋を快適な温度に保つ、食事や衣類の工夫で体感温度を上げるなどがあります。またオイルヒーターだけに頼らず、「早く暖めたい」「足元だけ暖めたい」など、要望に合わせて暖房器具を使い分けるのもおすすめです。
オイルヒーターは温度調整を上げるほど電気代が高くなるので、部屋の温度をじょうずに調整して適切な温度調整でオイルヒーターを使えば、省エネしながら電気代が節約できます。
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