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電力自由化から1年半、早くも新電力淘汰時代が到来か【エネルギー自由化コラム】

電力自由化ニュース

電力自由化から1年半、関西電力がオリックス電力を買収、大東エナジーが「いい部屋でんき」の受け付けを中止するなど、早くも新電力淘汰時代が到来しそうな予感です。

2016年4月の電力小売り全面自由化で新規参入した新電力の淘汰が進みそうな状況になってきました。金融大手のオリックスは子会社のオリックス電力が進めるマンション高圧一括受電サービス事業を関西電力に売却しました。大東建託グループの大東エナジーは「いい部屋でんき」の受け付けを中止しています。ともに新電力では大手に位置づけられるだけに、業界に衝撃が走りました。需要の大きな伸びが期待できない中、発電所を持たない新電力は利益を出しにくい状況で、今後再編が一気に進む可能性もありそうです。

関西電力は首都圏で販売促進を計画

オリックス電力の事業を買収した大阪市の関西電力本店。首都圏での顧客基盤を一気に固めようと意気込んでいる(筆者撮影)
関西電力は9月5日付けで、オリックス電力からマンション高圧一括受電サービス事業を継承する新会社の全株式を買収しました。新会社は10月末で関西電力の連結子会社となる予定で、「ネクストパワー」と命名されます。

電力自由化から2017年8月末での1年5カ月間で、関西電力は100万件を超す顧客を関西で失いました。福井県の高浜原発再稼働で関西の家庭向け料金を8月から平均3.15%引き下げたものの、関西電力より安い電力を供給してきた大阪ガスなどが同水準の値下げで対抗してきたため、価格面の劣勢が続いています。

一方、首都圏では2016年7月から電力販売をしていますが、2018年度までに10万件の顧客獲得目標を掲げながら、8月末現在の顧客数が1万5,000件にとどまりました。首都圏に多くの顧客を持つオリックス電力事業の買収で顧客基盤を一気に固め、売上を伸ばすのが狙いです。関西での苦戦を首都圏で打開する思惑もあるようです。

家庭向け料金の引き下げも同時に実施

このため、入札には175億円を提示しました。東京電力ホールディングスや大阪ガスなども応札していましたが、最高値を示して買収に成功しています。

さらに、今回の買収に合わせ、首都圏での一般家庭向け電気料金を引き下げます。月間使用量260キロワット時の顧客で東京電力のプランより年間約1,500円安くします。従来から使用量が多い家庭は割安になっていましたが、値下げ後は使用量の少ない家庭も東京電力より安くなるようプランを設定しました。

関西電力は「マンション高圧一括受電サービスにより、首都圏でしっかりと基盤を固め、多くのお客様に選ばれたい」と意気込んでいます。

オリックス電力は高圧分野で業界大手の1つ

しかし、オリックスがマンション高圧一括受電サービスを手放したことは、新電力の先行きの厳しさを暗示しています。オリックス電力は2010年、オリックスと不動産大手の大京が設立し、マンション1棟分の電力をまとめて供給する一括受電を手がけてきました。
顧客は約7万6,000件、約800棟。このうち、8割が首都圏にあります。2017年3月期の売上高は70億円。新電力の特高・高圧分野の販売量10傑に入り、新電力大手の1つに数えられます。

しかし、供給先のざっと半分は大京や穴吹工務店などオリックス系列のマンションです。オリックス電力はサービスについて「赤字でない」としていますが、マンション業界では「系列物件への営業をひと通り終えた時点で見切りをつけた」との見方も出ています。ただ、発電と工場などに電力を売る本体の電力事業は継続する方向です。

電力自由化で事業の先行きに暗雲

一括受電に見切りをつける理由として挙げられるのが、電力自由化です。消費者は自由に電力会社を選べるようになりましたが、高圧一括受電の契約をしているマンションの居住者はそれができません。

新たに契約を結ぼうとしても、居住者の1人でも反対すれば契約に必要な全戸の同意を得られなくなります。このため、オリックスは今後の事業拡大に困難がつきまとうと判断したもようです。

オリックス電力と同様にマンション高圧一括受電サービスを進めていたにちほエコは、電力自由化直前に事業から撤退しました。自由化で事業の先行きが見えなくなると考えたからです。

大東エナジーは8月で申し込み受け付けを中止

オリックス電力以外にも奇妙な動きをする新電力大手があります。賃貸住宅の大東建託グループの大東エナジーです。6月時点で全国26万件の顧客を抱えていたのに、8月末に電力サービス「いい部屋でんき」の受け付けを中止しました。
大東建託グループは賃貸物件の管理戸数が全国で100万戸規模に達し、業界トップを誇ります。電力サービスの供給先はこれら管理物件の入居者で、家庭向けの低圧電力では、新電力でトップテンに入る販売量です。

入居希望者と賃貸契約を交わす際に、「いい部屋でんき」をPRし、新規入居世帯の7割以上から契約を獲得してきました。不動産仲介業者が営業し、料金請求を家賃といっしょにグループ企業が行うビジネスモデルは、営業コストの削減に効果的で、経営は順調と考えられていたのです。

パートナー企業を探しているとの見方も

異変の前兆は4月にありました。新規申し込みの受け付けを一時、停止したことです。その際は想定を上回る申し込みで事務処理が滞る事態が発生したためとしていましたが、それから半年も経たないうちに中止が発表されました。

大東建託グループは受け付け中止の理由について「想定を上回る申し込みで事務処理を見直すため」と説明しました。今後の受け付け再開については「未確定要素があり、時期は未定」と回答しています。

大東建託グループはもともと賃貸物件の付加価値アップを目指して電力業界に参入しました。賃貸物件の入居者は電気使用量が平均より少なく、それほど利益率の高い顧客ではありません。このため、「パートナー企業を探しているのでないか」などさまざまな憶測が流れ、今後の動向から目を離せません。

都市ガス大手と総合エネルギー企業だけが健闘

小売事業者登録数の推移(2016年4月〜2017年6月)
経済産業省によると、小売電気事業者には6月末現在で468社から登録申請があり、うち401社が登録されました。販売電力量に占める新電力のシェアは全体で9.1%、一般家庭向けなど低圧に限れば4.1%にすぎません。
2017年3月で1億キロワット時以上の月間販売実績を持つ事業者はエネット、東京ガス、大阪ガスなど18社で、18社の供給量が新電力全体の7割を占めています。

都市ガス大手は各地で自前の発電所を増設し、電力大手と対決しています。総合エネルギー企業の中にはうまみの少ない一般家庭向けに参入せず、工場や大規模オフィス向けに専念し、利益を上げているところもあります。

大多数の新電力は価格競争で苦戦中

異業種から家庭向けに参入した企業は苦戦しています。販売実績を持たない事業者が86社あり、うち18社は事業開始予定時期を1年以上経過したのに、事業を開始できていません。「顧客獲得の見込みが立たない」「現在の電気料金で利益が出せない」などが理由です。

新規参入企業も大半が価格やサービスで明確な違いを打ち出せずにいます。新電力の多くは発電設備を持たず、日本卸電力取引所や発電事業者から電気を調達しています。このため、価格競争で大手に対抗するには利幅を抑えるしかなく、疲弊しているところが少なくないのです。

電力大手や都市ガス大手は新電力の買収に動いています。弱小新電力の多くが否応なく岐路に立たされているわけで、今後一気に新電力の淘汰、再編が進行する可能性も出てきました。

高田泰(政治ジャーナリスト)
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