エアコンの電気代は24時間つけっぱなしだとどうなるか実験!節約する方法も紹介
この記事の目次
エアコンの電気代は暖房でも冷房でも気になるところです。
エアコンを24時間つけっぱなしだとどのくらい電気代がかかるのか、実際にエネチェンジの編集部スタッフ宅で2つの実験を行いました。ひとつは、24時間エアコンをつけっぱなしにして、消費電力量を計測する実験。もうひとつは、エアコンを9時間つけっぱなしにするのと、30分ごとに電源を切るのとではどちらが電気代が高いのか比較する実験です。
エアコンの暖房・冷房機能を使用する際の節電術として、「つけっぱなしの方が安くなる」「こまめに電源をオンオフすると電気代が高くなる」という説がありますが、事実なのかどうかも比べています。
その他の節約術もご紹介するので、この記事を参考に賢くエアコンを使ってください。
- 更新日
- 2024年5月9日
エアコンの仕組み
冷房時には室内機で部屋の熱を取り込み、室外機を通して外に放出します。暖房時には室外機で外気の熱を集め、室内機を経由して部屋へと移動させるという仕組みです。
熱を運ぶポンプなので、室外と室内の温度差が小さければ使うエネルギーは少なくて済みます。なので、設定温度を冷房時には高く、暖房時には低くすると電気代を節約できるのです。
エアコンの電気代の目安は?どう計算する?
エアコンの1時間あたりの電気代は「消費電力×電力料金単価×1時間」で計算できます。
電力料金単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」から1kWhあたり31円(税込)として計算しています。
例えば、今回の24時間つけっぱなし実験で使用するパナソニックJシリーズ「CS-J226C-W」を例に計算してみましょう。
暖房時は消費電力470Wなので、「0.47kWh×31円×1時間」=14.57円。冷房時は消費電力590Wなので、「0.59kWh×31円×1時間」=18.29円となります。
ただし、常に商品説明に書いてある消費電力を使っているわけではありません。設定温度などで消費電力は変わるのであくまで目安としてください。
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今回は、実際に24時間つけっぱなしでエアコンを使った結果をご紹介するので、参考にしてください。
エアコンを冬季に「暖房」、夏季に「冷房」で、24時間つけっぱなしにしてみました。消費電力量を計測して電気代がいくらかかるのか、どちらが電気代がかかるかの実験です。
エアコン24時間つけっぱなし実験の条件・環境
まずは、エアコン24時間つけっぱなし実験の条件と環境を紹介します。
計測時間:10:00〜翌10:00(24時間)
計測空間:6畳の洋室。北側に窓あり。
計測対象エアコン:パナソニックJシリーズ「CS-J226C-W」
在室人数:1名
室外気温:冷房時・最高気温32℃、最低気温23℃/暖房時・最高気温14℃、最低気温2℃
「冷房」「暖房」でそれぞれ実験を行いました。エアコンの設定は次の通りです。
運転モード:暖房/冷房
風量:自動
設定温度:26度
使用するワットチェッカーはラトックシステム株式会社の「RS-BTWATTCH2」です。
【暖房】エアコン24時間つけっぱなし実験
縦軸単位=wh、横軸単位=時間
冬季に暖房を24時間つけっぱなしにした結果、消費電力量の合計は9,174Whとなりました。電気代は、284.39円。
全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」から1kWhあたり31円(税込)として計算しています。
日中は消費電力がやや低くなる傾向になるものの、ほとんどの時間帯で300Wh以上の消費電力を使用しています。
【冷房】エアコン24時間つけっぱなし実験
縦軸単位=wh、横軸単位=時間
夏季に冷房を24時間つけっぱなしにした結果、消費電力量の合計は4,095Whとなりました。電気代は、126.94円。
全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」から1kWhあたり31円(税込)として計算しています。
22:00以降から明け方までは室外の気温も下がっているので、消費電力量も少なくなっています。また、朝になって気温が上がりはじめると、それにあわせて消費電力量が上がっています。気温にあわせて風量などを調整する自動運転モードが機能していることがわかりますね。
結論:暖房の方が電気代が圧倒的に高かった!
暖房で24時間つけっぱなしにした場合は9,174Whの消費電力量になりましたが、冷房の場合は4,095Whと半分以下にとどまりました。冷房に比べて暖房の方が、圧倒的に消費電力が多いことがわかりました。
【冷房】エアコンつけっぱなしvsオンオフ実験
次に、エアコンの冷房をつけっぱなしにしたときと、こまめにオンオフしたときでは、どのように電気代が変わるか実験してみました。
条件と環境を紹介します。なるべく同じ条件で、消費電力を比較できるように計測環境を整えました。
エアコンのつけっぱなし実験の条件・環境
次の2パターンの条件でエアコンの消費電力を計測します。
- パターン1:計測期間中は、エアコンをつけっぱなしにする
- パターン2:計測期間中、30分に1度エアコンの電源をオフに。30分後、再びエアコンをオンにする(以降同様の操作を行う)
計測期間:10:00〜19:00
計測空間:6畳の洋室。北側に窓あり。
計測対象エアコン:パナソニックJシリーズ「CS-J226C-W」
在室人数:1名
室外気温:冷房時・最高気温30℃程度
運転モード:冷房
風量:自動
設定温度:26度
使用するワットチェッカーはラトックシステム株式会社の「RS-BTWATTCH2」。
同程度の気温の日を選び、2日に分けてパターン1とパターン2の実験を行いました。
【1日目】エアコンをつけっぱなしにするパターンの実験
エアコンをつけっぱなしにするパターンの実験から始めます。エアコンを「26度(冷房)」、風量を「自動」に設定。10:00から19:00までエアコンをつけっぱなしにします。
縦軸単位=wh、横軸単位=時間
エアコンをつけっぱなしにした結果、消費電力量の合計は2,025whでした。電気代は、9時間で62.77円。エアコンをつけ始めてから13時までは消費電力が高いですが、その後は下がり、安定した推移が見られました。
全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」から1kWhあたり31円(税込)として計算しています。
【2日目】電源をオンオフにするパターンの実験
同程度の気温の日に、エアコンの電源をオンオフにするパターンの実験を開始。つけっぱなしにするパターンの実験と同じく、エアコンを「26度(冷房)」、風量を「自動」に設定。実験期間は10:00から19:00までですが、30分おきにエアコンの電源をオフにし、30分間待って再びオンにすることを繰り返します。
縦軸単位=wh、横軸単位=時間
定期的にエアコンの電源をオンオフを繰り返した結果、消費電力量の合計は2,060wh。電気代は9時間で63.86円。つけっぱなしにしたパターンの実験結果よりも消費電力量が多い結果に!
全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」から1kWhあたり31円(税込)として計算しています。
消費電力量の推移も、つけっぱなしにするパターンの実験結果と比較すると安定していないことがわかります。16時には、何と300whを超えています。
室温が上がった際、設定温度まで下げるために、電力をたくさん消費していることがわかりますね。
結論:1日中在宅する場合は、つけっぱなしが◎
今回の実験から、つけっぱなしにする方が、電気代を節約できる結果が得られました。
もちろん何時間も外出するのに、エアコンをつけっぱなしにするのは、電気の無駄遣いにつながります。30分程度の外出ならつけっぱなしに、1時間以上の外出なら電源をオフにするなど、状況に合わせてエアコンを使うとよいでしょう。
エアコン24時間つけっぱなしによるメリット
こまめに消すよりも、つけっぱなしの方が良いことがわかる実験でした。エアコン24時間つけっぱなしにすることは電気代以外にも以下のようなメリットがあります。
暑さや寒さの不快感がなくなる
1日を通して室温を一定に保てるため、不快感がなくなり快適に過ごせるでしょう。また、寝室の温度は、体温調節の仕組みを通して、寝つきや睡眠の深さに影響します。厚生労働省によると、許容室温範囲の13~29℃にすることで、睡眠の質が低下しない寝床温度の33℃前後に保つことができるとしています。活用することで安眠効果を高められます。
電源の付け忘れ・消し忘れがなくなる
「あれ?エアコン切ってきたっけ?」と、外出先で心配になったことがある人も多いはず。また、帰宅時に合わせて電源が入る設定などをし忘れてしまい、冬の寒い玄関で後悔したことがある人も少なくないでしょう。
「消したかな?」「設定してきたかな?」「電気代が…」と、気になって外出先でストレスに感じてしまうことも。エアコンを24時間つけっぱなしにすることを決めてしまえば、電源の付け忘れ・消し忘れの心配はありません。余計なストレスを感じないために、エアコンを24時間つけっぱなしにしておくのも良いでしょう。
エアコン24時間つけっぱなしによるデメリット
常に適温なので、室温に関する不快感がなくなり、電源の消し忘れを気にしなくてもよくなるのが、エアコン24時間つけっぱなしのメリット。一方で、デメリットもいくつかあります。
エアコンの寿命が短くなる可能性がある
エアコンを連続で運転しても問題はありません。しかし、24時間つけっぱなしなど長期間連続で運転することで稼働時間が長くなると、圧縮機やファンモーターなどの部品の劣化が早まることで製品の使用期間(寿命)は縮まることがあります。
出典:DAIKIN よくあるご質問「連続運転について(ルームエアコン)」
自動お掃除機能がつかえない
多くのエアコンには、自動でエアコン内部を掃除する「お掃除機能」がついています。しかし、運転中はお掃除機能は作動せず、スイッチを切った時のみ作動するケースも。24時間稼働して長時間つけっぱなしにしている間は作動しない場合があるため内部に汚れが溜まってしまい、故障や臭いなどの原因にもなりかねません。
しかし、現在は多くのメーカーで、フィルター自動おそうじ機能や、フィルター自動お掃除のスケジュールを1週間分タイマー予約できる機能など、さまざまな工夫がされています。エアコンを選ぶときにも参考にしてみましょう。
出典:DAIKIN よくあるご質問「連続運転について(ルームエアコン)」Panasonic エアコンは「つけっぱなし」でも大丈夫? 24時間利用の賢い使い方
エアコンの電気代を節約する方法
エアコンの電気代は使い方の工夫で節約できます。
この章では、エアコンの電気代を節約する方法を暖房時・冷房時に分けてご紹介します。
暖房時の節約術
エアコンを暖房で使用する時には、次のような節約方法が挙げられます。
- 設定温度を低くする
- ドア・窓の開閉を少なくする
- カーテンの生地を厚いものにする
- 扇風機やサーキュレーターを併用する
- 室外機の周りに物を置かない
外気温度6℃の時、エアコン(2.2kW)の暖房設定温度を21℃から20℃にした場合(使用時間:9時間/日)、年間で約1,650円の節約になります。
出典:省エネポータルサイト/資源エネルギー庁
他にも、節約の工夫はいくつもあります。
ドア・窓の開閉やカーテンの生地の工夫は、室内の暖められた空気と外の冷たい空気と混ざるのを防ぐ工夫です。また、扇風機やサーキュレーターを併用すると、室内の空気ムラがなくなって、部屋全体を暖められます。
室内だけではなく、室外でも工夫しましょう。エアコンは、室外機を通して熱交換をしているので、室外機の周りに物があると効率が悪くなります。特に、吹出口の周りには物を置かないようにしてください。
冷房時の節約術
エアコンを冷房で使用する時には、次のような節約方法が挙げられます。
- 設定温度を高くする
- ドア・窓の開閉を少なくする
- レースのカーテンやすだれなどを使用する。
- 扇風機を併用する
- 室外機の周りに物を置かない
外気温度31℃の時、エアコン(2.2kW)の冷房設定温度を27℃から1℃上げた場合(使用時間:9時間/日)、年間で約940円の節約になります。
出典:省エネポータルサイト/資源エネルギー庁
冷房時も他に節約の工夫ができます。
ドア・窓の開閉は、暖房時と同様に室内の冷たい空気と外の暑い空気と混ざるのを防ぐ工夫です。夏は日差しによって部屋の空気が暖められるので、すだれやレースのカーテンによって日差しをカットするのも効果があります。
扇風機の併用は、暖房時と同様に室内の空気ムラをなくすという理由です。また、風がカラダにあたると涼しく感じるので、設定温度を無闇に下げなくても快適に過ごせるでしょう。
室外機の周りに物があると効率が悪くなるのは暖房時と同じです。特に、吹出口の周りには物を置かないようにしましょう。
エアコンをつけっぱなしにする・しないは状況に応じて使い分けましょう
エアコンの電気代とエアコンのつけっぱなし実験の結果をご紹介しました。ふだんからエアコンの使い方を気にしている方は、今回の実験結果を参考にしてみてくださいね。一工夫でエアコンの電気代は節約できるので、賢く使っていきましょう。
電気代を節約したい方は、電力会社の見直しがおすすめ。電気・ガス比較サイト「エネチェンジ」では、郵便番号などを入力するだけでぴったりの電力会社を見つけられます。お得なキャンペーンを実施している電力会社もあるのでチェックしてみてくださいね。
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