賃貸物件でアンペア変更を行うときの手順と注意点
この記事の目次
「真夏や真冬になると頻繁にブレーカーが落ちる」「新しい家電をセットしたらブレーカーが落ちた」といった場合には、アンペアの変更を検討することが必要です。しかし、実際にアンペアを変更するためには、何から始めれば良いのでしょうか。
特に、賃貸物件では持ち家のように勝手に変更するのは、規約違反の可能性があり、トラブルの原因となりかねません。ここでは、賃貸でスムーズにアンペア変更を行うために役立つ、参考情報を解説していきます。
- 更新日
- 2022年3月2日
賃貸でアンペア変更を行うときの手順
賃貸に住んでいるときに、電力会社のアンペア変更を行う流れを解説します。おおまかにいえば、手順は次の通りです。
- 必要な契約アンペア数を決める:どの程度のアンペア数が必要なのかを検討
- 管理会社・大家さんに確認:最大容量制限の確認とアンペア変更の承認を取る
- 電力会社に問い合わせる:アンペア変更が可能か、工事が必要かを確認。工事が必要である場合にはその旨を再度貸主に報告しておくようにすると安心
各手順について留意点を解説していきます。
手順1:必要な契約アンペア数を決める
アンペア数は、10Aからの契約ができます。例えば、一人暮らしで比較的電気使用量が少ない場合は20~30A、2人以上であれば40~60Aがおよその目安です。
ただし、人数によらず一度に容量の大きな家電を使う場合には、アンペア数も大きめにしておく必要があります。アンペア変更の必要性を感じたら、どのくらいの容量が適切かを調べ、なるべく過不足のない容量に近づく数値を決めておきます。
適切なアンペア数がわからないときは、下記の記事を参考にして計算するのがおすすめです。
契約アンペア数の変更手続きと計算方法:契約アンペア数の目安も解説
手順2:管理会社・大家さんに問い合わせる
アンペアの変更には、管理会社や大家さんの許可が必要です。賃貸、特に集合住宅では、利用できる電気容量が制限されている場合があります。また、築年数が古いと、大がかりな工事が必要となるケースもあるため、アンペアの変更が許可されない場合もあります。
工事不要で最大容量の制限がない場合は、アンペア変更の承諾がもらいやすくなります。工事が必要でも屋内の簡単なものであれば許可されることもあります。いずれにしてもアンペア変更の希望を伝え、事前に許可を得るようにしなければなりません。
手順3:電力会社に問い合わせる
電力会社に問い合わせる際には、「自分の希望するアンペア数への変更が可能か」「それに伴う工事が必要か」について確認します。電力メーターがスマートメーターの場合は、遠隔操作でアンペア数を変えられるため、工事は不要です。
アナログ式電力メーターの場合は、ブレーカーの取り替え工事をしますが基本的に利用者の負担は発生しません。ただ、「配線工事が必要」「60Aを超える」といった場合は、工事費用が別途発生するため、金額の確認が必要です。
そのため、工事が必要とわかった時点で、再度管理会社や大家さんに伝えておくと良いでしょう。スマートメーターであれば立ち会いは不要ですが、アンペアブレーカー交換の場合には、室内での作業となるため、工事には立ち会いが必要となります。
所要時間は、約30分~1時間と考えられますが、電力会社や状況によって異なるため問い合わせの際に確認しておくと安心です。
賃貸物件でアンペアを変更する場合の注意点
賃貸物件の場合は、持ち家と異なり利用規約に従うことになります。また、毎日使う電気となるため、プラン変更などについても留意しておかなければなりません。ここでは、賃貸物件でアンペア数を変更する際に、おさえておきたい注意点を解説します。
アンペア数が変わると基本料金が変わることがある
電気の基本料金は、アンペア数に従って設定されているため、アンペア数を上げると、基本料金も変わることが考えられます。
契約アンペア | 10A | 15A | 20A | 30A | 40A | 50A | 60A |
---|---|---|---|---|---|---|---|
基本料金(税込) | 286円00銭 | 429円00銭 | 572円00銭 | 858円00銭 | 1144円00銭 | 1430円00銭 | 1716円00銭 |
2022年3月現在、東京電力エナジーパートナー「従量電灯B」の場合
月の基本料金自体の差は、数百円でも何年も積み重なれば大きな金額の違いとなります。そのため、アンペア数の変更時には、自分が使う電力量にあったプランを選ぶことが大切です。
アンペアの変更は基本的に1年契約
アンペアを一度変更すると、基本的に1年間は変更できません。原則シーズンごとに切り替えるわけにはいかないため、1年のうちで一番電気を使う季節に合わせて選ぶことが重要です。
例えば、春にアンペアを変えて安心していたら、夏のエアコン利用時に頻繁にブレーカーが落ちることもあります。もっとも使用量が多くなる季節を基準として、契約アンペア数を決めるようにしましょう。
退去時に原状回復義務を課せられることがある
賃貸物件の場合、退去時には原状回復義務があります。
アンペア変更についても、場合によっては契約を元に戻すよう要求されます。アンペア変更の前には、この点についても管理会社・大家さんに相談して、退去時の対応を確認しておくことが必要です。アンペアの再変更もありえますので、退去前についても、連絡を早めにして必要な対応を確認しておくとよいでしょう。
賃貸でアンペア変更する場合は細かな連絡が必要
持ち家であれば直接電力会社に相談できます。しかし、賃貸物件の場合には、まず貸主への連絡が必要です。賃貸の場合は、当該物件でアンペア変更が可能かどうかを管理会社・大家さんに確認し、承諾を得なければなりません。
工事が必要であれば、どこまでできるのか、またその際に発生する費用の分担についても相談することが大切です。さらに、退去時の原状回復についての確認も、前もって行っておくようにします。細かな確認を怠らず、思いがけないトラブルを招かないように対処していきましょう。