現在eo（イオ）光を契約していて、auひかりに乗り換えを検討している方向けに、手順や注意点を解説します。eo光からauひかりに乗り換えるメリット・デメリットもまとめているので、契約前に改めて確認しましょう。本記事で掲載されている金額は、すべて税込表示です。

eo光からauひかりに乗り換え時の注意点

まずはeo光からauひかりに乗り換える前に、確認しておきたい注意点をご紹介します。

eo光とauひかりは提供エリアが異なる

eo光とauひかりは、戸建て向けプランの提供エリアが異なります。eo光は関西エリアを中心に2府4県でサービスを提供しています。

北陸エリア

福井県

関西エリア

大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県

対するauひかりは、次の36都道府県がサービスの提供エリアです。

北海道エリア

北海道

東北エリア

宮城県、青森県、秋田県、岩手県、山形県、福島県

関東エリア

東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、群馬県、栃木県

中部エリア

長野県、新潟県、山梨県

北陸エリア

石川県、富山県、福井県

中国エリア

広島県、岡山県、山口県、島根県、鳥取県

四国エリア

愛媛県、香川県、徳島県、高知県

九州エリア

福岡県、熊本県、鹿児島県、長崎県、大分県、宮崎県、佐賀県

福井県では両方のサービスが提供されています。しかし、eo光が展開する市区町村は「小浜市/大飯郡高浜町/大飯郡おおい町/三方上中郡若狭町」のみ。この市および町では、auひかりは提供されていません。そのため、eo光を契約している場合、現住所での乗り換えは不可能となり、auひかりの提供エリアに引越しする場合のみ、乗り換えることができます。

eo光の集合住宅向けのプランの提供エリアは、同じく関西・北陸の2府4県です。一方でauひかりは沖縄県以外の全国に提供し、auひかりの回線設備を導入している集合住宅なら利用が可能です。

ただ、ひとつの建物内に２つの光回線……eo光とauひかりの両方が導入されている集合住宅は、まずないと考えられます。つまり集合住宅向けのプランでも、eo光からauひかりに乗り換えるなら引越しが前提となります。

auひかりは解約時の回線撤去費用が高い

auひかりは、解約時の回線撤去費として最大31,680円がかかります。光回線の撤去費用の相場は10,000円～20,000円程度。中には撤去費用が無料の光回線サービスもあるので、auひかりは割高といえます。

2022年7月1日以降に申し込んだ場合、回線撤去工事は任意です。賃貸物件では、撤去が必要かどうかは管理会社や大家さんの判断となるため、必ず確認をするようにしましょう。撤去費用は契約内容や契約時期によって異なります。auひかり マンションを利用している場合は、撤去費用がかかりません。

格安スマホ「mineo」とのセット割が無効になる

eo光には、格安スマホの「mineo（マイネオ）」とセットで契約することで、eo光の月額料金から毎月330円割引される「eo × mineoセット割」があります。「eo×mineoセット割」は自動で適用されないため、セット割の申請が必要です。eo光のマンションタイプのプランのうち、「一括契約規約」に基づき提供されるサービス、およびmineoの「マイそく スーパーライト」はセット割の適用対象外です。同じ「eo ID」でeo光ネットとmineoを契約、あるいは別にeo IDでもeo光とmineoの住所が同じ、あることが適用の条件となります。また、住所が同じなら家族などの別名義契約との組み合わせも適用対象です。

eo光からauひかりに乗り換えると、mineoのスマホを継続利用していても、セット割引が受けられなくなることは理解しておきましょう。

eo光からauひかりに乗り換え時の費用

eo光からauひかりに乗り換える際は、解約金や新規申し込み時の契約手数料などがかかります。ここでは、auひかりに乗り換える際の費用について解説します。

eo光の解約時の費用

eo光を解約すると以下4つの費用がかかる可能性があります。

1. 解約精算金
2. 設備撤去費用
3. 工事の残債料金
4. レンタル機器の返送料

1つ目は解約精算金です。価格や条件は、契約プランや適用されている割引サービスにより異なります。eo光では通常では1年間、戸建て向けの「ホームタイプ」や戸数の少ない集合住宅向けの「メゾンタイプ」に用意されている「即割」が適用されているなら２年間の最低利用期間が設定されています。

この期間を満たさずに解約すると、マンションタイプなら月額基本料金から880円を引いた額の解約精算金が発生。ホームタイプとメゾンタイプなら次の解約精算金を支払う必要があります。

契約プラン	即割なし	即割あり
10ギガコース	2400円	6200円
5ギガコース		5630円
1ギガコース		5110円
100Mコース		4800円
100Mライトコース	2200円	2200円

また、3年目以降にホームタイプとメゾンタイプに用意される「長割」が適用される場合、所定の期間（契約満了月の1〜2カ月目と36カ月目）以外で解約すると解約精算金が発生。金額は長割が適用されるタイミングでことなります。

解約精算金	2022年6月以前		2022年7月以降
	残余期間	解約精算金	解約精算金
10ギガコース	2～12カ月	2732円	5460円
	13～24カ月	5464円
	25～34カ月	8197円
5ギガコース	2～12カ月	2389円	4770円
	13～24カ月	4778円
	25～34カ月	7167円
1ギガコース	2～12カ月	2074円	4140円
	13～24カ月	4149円
	25～34カ月	6223円
100Mコース	2～12カ月	1886円	3770円
	13～24カ月	3771円
	25～34カ月	5657円

2022年7月以降に長割が自動更新された場合、「2022年7月以降」の解約精算金となります。

２つ目は光回線設備の撤去費用です。住宅の所有者・管理組合の設備の残置承諾が得られないと、宅外工事費として11,000円がかかります。設備の残置承諾が得られたなら、もちろん撤去工事は不要。自分でルーター一体型ONU（光回線終端装置）を取り外し、返却するだけで済みます。オプションサービスのeo光テレビを契約している場合、テレビチューナーの撤去費用やアンテナ切り替え費用が別途かかります。追加でeo光テレビチューナーを設置されている場合は、1台ごとに撤去工事費が必要です。

3つ目は工事の残債料金です。開通工事費を分割で支払っている場合、その残債が一括で請求されます。eo光と光電話の両方を契約して工事費を分割払いしている場合で、eo光のみを解約するなら、これまでどおり分割でのお支払いとなります。

4つ目はレンタル機器の返送料です。送料や梱包するダンボール代などは自己負担となります。ただ、設備の撤去費用を実施したなら、工事業者がレンタル機器を回収してくれるため、返送料はかかりません。なお、機器を返却しないでいると実費相当額を請求されることもあるので、注意しましょう。

auひかりの申し込み時の費用

auひかりは、申し込み時に初期登録料と、工事費含む初期費用がかかります。新規登録料はauひかり ホームでもauひかり マンションでも3,300円。初期費用は、戸建て向けとマンション向けで費用が異なります。

プラン	初期費用 （工事費含む）
auひかりホーム	41250円
auひかり マンション	33000円

工事費含む初期費用は、「初期費用相当額割引」によって”実質無料”となります。分割払いと同じ回数で毎月の利用料から割引されるため、分割払いを選べば申し込み時の支払いは新規登録料の3,300円だけで済みます。

eo光からauひかりに乗り換える方法

eo光からauひかりに乗り換える方法を解説します。主な手順は次のとおりです。

1. auひかりに申し込む
2. auひかりの工事日を決める
3. eo光の解約手続きをする
4. auひかりの工事の立ち合いをする
5. auひかりの接続機器の設定をする

Step1）auひかりに申し込む

auひかりへの乗り換えを決めたら、まずはインターネットまたは電話で新規申し込みをします。次の情報を事前にまとめておくと、手続きがスムーズに進められるでしょう。

• 契約者氏名
• 性別
• 生年月日
• メールアドレス
• 電話番号
• 住所
• 建物の情報（持家・賃貸など）
• 契約内容の送付先
• 支払い情報
• 工事希望日

申し込みをする前には、契約に関する情報が記された約款や、重要事項説明書に目を通しておきましょう。どちらもauひかりのHPにて確認できます。

また、auひかりの開通にあたっては基本的に工事が必要となります。賃貸住宅に住んでいる方は、申し込み前に管理会社やオーナーに承諾を得ておきましょう。

Step2）auひかりの工事日を決める

申し込み後は事前調査が実施され、問題がなければSMSのメッセージで工事の予約案内が届きます。auから送付された「契約内容のご案内」に記載されるIDとパスワードを使って、WEBページ/アプリの「My au」にログインし、工事日を予約しましょう。

工事日は立ち合いが必須となるため、他の用事がない日時を指定しましょう。もし予約した工事日での立ち会いが難しく、変更を余儀なくされた場合はKDDI開通センターに電話で問い合わせをします。なお、My auから工事日変更はできないので注意してください。

また、土日祝日に工事を実施する場合には、工事費とは別に3,300円（税込）がかかります。費用を抑えたいなら、平日に予約しましょう。

Step3）eo光の解約手続きをする

eo光の解約の手続き方法は電話のみ。eoサポートダイヤルに電話し、解約を申し出てください。その際、eo IDなどの契約に関する情報を手元にまとめておくとスムーズです。

解約の受付内容は、ホーム/メゾンタイプならeoのマイページで確認可能。マンションタイプは「解約受付書面」が後日郵送されるため、失くさないように保管しておきましょう。

撤去工事が必要な場合、eo光を運営する「オプテージ」から工事日の連絡があります。当日は立ち会い必須で、工事まで時間がかかるケースもあるので、解約する際は余裕をもったスケジュールをたてることが大切です。

一方で撤収工事が不要なら、レンタル機器を返却するだけで解約完了です。

Step4）auひかりの工事の立ち合いをする

工事当日は屋内工事と屋外工事を実施します。最寄りの電柱から宅内まで光ファイバーを引き込み、光コンセントを設置。事前に送付されていたルーター一体型ONU（光回線終端装置）を接続して工事完了です。

工事にかかる時間は状況にもよりますが、2時間程度です。途中で外出はできないので、きちんと立ち会い時間を確保しておきましょう。

申し込んだプランがauひかり マンションなら、回線が共用部まで導入済みであるため、屋外工事は不要。基本的には屋内工事のみとなります。

Step5）auひかりの接続機器の設定をする

工事で設置したルーター一体型ONUとパソコンやスマホを繋いで、インターネットの接続設定を行います。もしインターネットに接続できなかったときは、サポートデスクに問い合わせましょう。

なお、auひかりが利用可能となるまでには、申し込みからおおよそ1～2カ月かかります。auひかりに乗り換えるなら、慌てないよう余裕を持ったスケジュールを設定することも大切です。

eo光からauひかりに乗り換えるメリット・デメリット

最後に、eo光からauひかりに乗り換えるメリット・デメリットをご紹介します。

eo光からauひかりに乗り換えるメリット

eo光からauひかりに乗り換えるメリットは次の2つです。

• プロバイダが選べる
• auもしくはUQモバイルとのセット割を利用できる

eo光ではプロバイダを選べませんが、auひかりホームでは「@nifty/@TCOM/ASAHIネット/au one net/BIGLOBE/DTI/So-net」という7つのプロバイダを用意。自分に合ったサービスを選択できます。利用できるプロバイダは提供エリアや居住環境によって異なります。

eo光で適用されていたauもしくはUQモバイルのセット割を引き継げることもメリットです。auひかりでも対象となるプランと「auひかり電話」に加入していれば、eo光と同様、月額料金が割引されます。

セット割引名	セット対象	1回線あたりの割引額	適用可能な回線数
auスマートバリュー	auの対象プラン	最大1100円/月	合計10回線
自宅セット割	UQモバイルの対象プラン	最大858円/月	合計10回線

eo光からauひかりに乗り換えるデメリット

eo光からauひかりに乗り換える際には、次の3つのデメリットがあります。

• 同じ1ギガプランでも基本料金が高くなる
• auひかりは利用できる集合住宅が少ない
• 「eonet.ne.jp」のメールアドレスが利用できなくなる

大きなデメリットは少し基本料金が高くなることです。例えば戸建て向けのスタンダードな1ギガプランで比べると、eo光が5,552円で、auひかりの「ずっとギガ得プラン」（3年プラン）が6,160円。auひかりの方が割高となっています。

ただし、これは他の割引サービスやキャッシュバックなど省いた金額です。加入したいオプションサービスがある場合、月額料金も変化します。どちらが安いか一概には言えず、サービスの内容も比べられないため、両方の総合的なコスパを見比べることが重要です。

また、auひかりは利用できる集合住宅が少なく、光コラボのサービスと比べると、auひかり マンションの回線を導入している集合住宅は数が少なく、導入済みの集合住宅でも回線に対応したプランしか選べません。

さらに、eo光を解約すると「eonet.ne.jp」のメールアドレスが使えなくなります。他のサービスにメールアドレスとして登録している場合は、連絡先を変更する手間が発生します。

eo光からauひかりに乗り換える前に他社も比較！

eo光からauひかりへの乗り換えには、メリットだけでなくデメリットもあります。光回線を乗り換える際は、別の光回線サービスも比較検討してみることをおすすめします。