東京電力の実量制・スマート契約とは何のこと?オトクになるの?
この記事の目次
東京電力の電力自由化後のプランが発表され、新しく「スマート契約」という概念が登場しました。電力業界では「実量制」と呼ばれています。基本料金の決め方が変わるらしいけど、正直よくわからないですよね。詳しく解説をします。
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エネチェンジ電力比較診断の3人世帯を選択したシミュレーション結果で、電気代節約額1位に表示されたプランの年間節約額の平均値です。節約額はギフト券などの特典金額も含まれています(シミュレーション期間/2024年7月1日~2024年9月30日)
電気料金の仕組みは?
基本料金?スマート契約?
今まで何も意識せずに「電気代」を支払ってきていると、正直何のことかさっぱりわからないですよね。まずは、電気料金の仕組みを理解するところから!
- 電気料金=基本料金+電力量料金+その他
私たちが毎月払っている電気代には、基本料金部分と使用した電力量に基づいた従量制の部分があります。基本料金は契約アンペアによって決まり、毎月同じ金額が請求されるのです。
自由化後に導入される「スマート契約」は、今まで固定だった基本料金を、実際に使った実績値にあわせて毎月見なおそうというものです。
実量制の導入はインパクト大
なんだがサラッと書いてますが、これが家庭向けに提供されるというのは電力業界にとってはすごく大きな変化。
電力業界では「実量制」と呼ばれているのですが、実は法人契約(会社・工場など)では普通に使われている仕組みです。ただ、家庭向けに適用するのは困難でした。でも、今回の電力自由化で設置されるスマートメーターを活用することで、やっと家庭向けに提供できるようになったのです。スマートメーターを活用した、まさに最先端の電気料金プラン!
最大手の東京電力がこのやり方を打ち出したのは、東京電力がそれだけ本気だということ。他の電力会社が追従してくる可能性も大いにありえますよ!
スマート契約の金額はどうやって決まる?
東京電力はこのように説明をしています。
スマートメーターで計測した過去1年間(その月と直前の11ヶ月)の各月のピーク電力のうち、最も大きい値を契約電力といたします。
ピーク電力……また新しい言葉が登場しましたね。
ピーク電力の計算方法を解説!
ピーク電力の解説の前に、計測方法について解説をしましょう。
スマートメーターは30分ごとの電気の使用量を計測しています。「どのくらいの電化製品を動かしているか」を監視しているというイメージ。
30分ごとなので瞬間風速的なことではありませんよ!あくまで平均値なので、浴室乾燥機と電子レンジと電気ケトルを同時に使ったとしても、その後の20分間何も家電を使用しなければ数値としては落ち着きますよね。
「私よくブレーカー落ちるけど、マズいってこと?」と冷や汗をかいた人、大丈夫です(笑)
スマートメーターは計測した30分ごとの平均値を24時間365日とっています。その月内に、最もたくさんの電気を同時に使った30分の数値がピーク電力です。
スマート契約では過去1年間のピーク電力が影響する
スマート契約では、その月と過去11ヶ月の電気の使用状況で、もっとも多くの電気を同時に使った30分間の使用量を自動的に計算して、その量にみあった基本料金が自動的に設定されるんです。「過去11ヶ月の使用状況で、もっとも多く」というところがポイントで、例えば2016年の1月のある日にたくさんの家電を同時に使ったことで基本料金が設定されたら、2017年の1月までは同じ基本料金が適用されます。
うっかりやらかしちゃうと、その後1年間は高いまま……これは、気をつけないといけません。
好きなだけ使えるってこと?
スマート契約になると契約上の上限値がなくなります。
みなさんも、暖房や調理器具などを複数使っているときに、ちょっとお湯を沸かそうとケトルをつけたら、家全体の電気が突然バチっと消えたことってありますよね?これは、家の契約アンペア数を超えたためにアンペアブレーカーが自動で落ちたためです。ある意味、これは電力会社からの「使いすぎてるぞ」というサインでした。
スマート契約になると契約上の上限がなくなるので、好きなだけ同時に使えちゃう。だけど、それだけ基本料金が高くなります。自分が気をつけないと、電気代としてツケがまわってくるということです。
スマート契約でトクする人、損する人
仕組みがわかったところで、誰がトクするのかを考えてみましょう。
- スマート契約でトクする人
- アンペア契約が必要以上に大きくなっている人(ブレーカーを落とさない使い方をしている人)は、基本料金が安くなってオトク!
- スマート契約で損する人
- ブレーカーをよく落とす人は、ブレーカーでかかっていた上限よりも多く使ってしまい、基本料金が高くなるかも!
私みたいな人は、完全に損をする人です(笑)
トクをするためのコツ
基本料金を下げるためには、家電を同時に使わなければよいのです!家電で注目すべきポイントは「消費電力」。乾燥機やドライヤー、炊飯器などの、いかにも電気を使いそうな家電を使用するときは、使う時間帯をバラすように意識してみましょう。
料理を作っている間に、洗濯も済ませたい!という家事の時短テクとは、ちょっと逆行しますね。消費電力が高い家電を知って、賢く使えるようになれると、オトク度がどんどん上がっていくわけですね!
失敗すると1年間基本料金が高くなってしまうのでスリル満点!うまく使いこなせたときの達成感もハンパない!
ピーク電力を左右する家電はどれ?詳しく解説
なんで東電はこんなプランを始めるの?
東京電力も、この実量制・スマート契約によって電気代が高くなる人がでてくるのは承知のこと。ただ、これをきっかけに一般消費者にも家電の使い方を学んでほしいのだそうです。
今回のプランが一般消費者に受け入れられなかったとしても、スマートメーターを活用したプランやメニューは開発していきたいと発表しています。私たちが節約できるような「見える化ツール」も今後提供していきたいと意気込みを語っていました。
流行るかわからないけど新しいことにチャレンジする姿勢、東京電力の自由化にかける意気込みを感じますよね。
賢く家電をつかって、本気で電気代を節約しよう!
新しい概念として登場した実量制・スマート契約。トクする人にも書きましたが、私たちが進んで節約・節電をして、賢く家電を使えるようになれば、それだけ電気代を安くできるんです!毎日、節約をがんばっている主婦の皆さんにしたら、すごく嬉しいプランなのではないでしょうか?
エネチェンジでは1月から順次、公表された電気料金プランを比較・検討できるようになります。電力自由化後の最適な電気料金プラン探しに、ぜひご活用ください。