市場連動型プランとは?電力市場(JEPX)の価格高騰で電気料金、各社の対応は?
この記事の目次
電力自由化により、旧一般電気事業者(※)や新電力から新しい電気料金プランが登場しています。「市場連動型プラン」も、電力自由化後に登場した新しい電気料金プランのひとつです。
「市場連動型プラン」は、日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格に連動して電気料金プランの単価が決まります。2020年12月から2021年現在にかけ、昨年2020年の全国24時間平均(システムプライス)と比較すると約84.1円高い91.69円(1月9日時点)と過去最高価格になり、市場価格が急激に高騰しています。
2月以降も価格高騰は続く見込みです。市場価格が高騰すると、どのような影響があるのでしょうか?
この記事では、今起きていること、「市場連動型プラン」の特徴やメリット・デメリット、市場価格の影響を受ける場合などを解説します。また、エネチェンジでは市場連動型料金プランを契約している方に向けたサポート窓口をご用意しました。お困りの際はぜひご相談ください。
旧一般電気事業者とは…北海道電力・東北電力・東京電力・中部電力・北陸電力・関西電力・四国電力・中国電力・九州電力・沖縄電力をいいます。
テレビやインターネットの報道で、ご自身の使われている電力会社について不安に思っている方も多いでしょう。新電力のすべてが市場連動型プランを採用しているわけではありません。「市場電動型プラン」および電気料金の一部が市場と連動するプランを提供する主な電力会社は以下の通りです。
- 従量料金が市場と連動する「市場連動型プラン」を提供している電力会社
- 自然電力、エルピオ(市場連動プランのみ)、ダイレクトパワー、テラエナジー、ハチドリ電力など
- 電源調達費など、電気料金の一部が市場と連動するプランを提供する電力会社
- ハルエネでんき、エフエネ、ジニーエナジー、みんな電力、めぐるでんき、おトクでんき、アスエネなど
上記の電力会社は一例です。すべての「市場価格高騰に影響を受ける可能性の高い電力会社」をリストアップしたものではありません。また、順不同での掲載としています。
JEPXの市場価格が高騰中。何が起こっているの?
12月後半から現在にかけ、電力の卸売価格が高騰を続けています。1月13日の受渡分システムプライス48コマ平均154.57円を記録し、前例のない異常な数値となっています。
出典:エネチェンジ・インサイト・マーケット
なぜ、市場価格が高騰してしまったのでしょうか?また、どのような影響があるのでしょうか。現在の状況を簡単に説明します。
市場価格高騰の主な原因は、寒波による電力需要増加と火力発電燃料の不足
市場価格高騰の主な原因として、「寒波などによる電力需要の増加」と「火力発電燃料であるLNG(液化天然ガス)の不足」の2つが重なったことがあげられます。
現在、日本にはたびたび強い寒波が流れ込み、最低気温が氷点下の予想が続いています。そのなかで、新型コロナウイルス感染症対策によるテレワークも増加し、暖房器具使用などによる家庭用電力の消費量が急増しています。また、長引く寒波の影響により、火力発電の燃料であるLNG(液化天然ガス)の需要が想定よりも上振れているため、燃料消費も早いペースで進み、多くのエリアでLNG火力の出力低下が相次いでいるのです。
1月8日には全国7エリアで最大需要が「10年に1度」を想定する規模を上回りました。このままでは、計画停電の実施も考えられます。電力需要のひっ迫はしばらく続くと見込まれているため、旧一般電気事業者各社は、日常生活に支障のない範囲での節電を呼び掛けています。
JEPX市場価格の高騰で市場連動型プラン利用者の電気料金にも影響
「市場連動型プラン」は、JEPXの市場価格に連動して電気料金単価が決まるプランです。JEPXの市場価格が高騰すると、利用者の電気料金にもそのまま反映します。現状の市場価格では通常通りに電気を利用していても、1月分の電気料金が数倍となる見込みです。特に、以下の電力会社を利用している方はご自身の電力会社のマイページなどでの料金や市場価格高騰についての発表を確認しましょう。
- 従量料金が市場と連動する「市場連動型プラン」を提供している電力会社
- 自然電力、エルピオ(市場連動プランのみ)、ダイレクトパワー、テラエナジー、ハチドリ電力など
- 電源調達費など、電気料金の一部が市場と連動するプランを提供する電力会社
- ハルエネでんき、エフエネ、ジニーエナジー、みんな電力、めぐるでんき、おトクでんき、アスエネなど
上記の電力会社は一例です。すべての「市場価格高騰に影響を受ける可能性の高い電力会社」をリストアップしたものではありません。また、順不同での掲載としています。
なお、JEPXの電力取引価格は、JEPX プライスチェッカーで確認できます。
新電力のすべてが市場連動型プランではありません
テレビやインターネットの報道で自身の電気料金プランが高くなるのではないかという不安を感じている、新電力の利用者も多いでしょう。新電力のすべてが市場連動型のプランを採用しているわけではありません。利用者の多い主な電力会社で、市場連動ではない料金プランの電力会社の例をまとめました。
また、現在エネチェンジでは市場連動型プランのお申し込み受付を停止しております。エネチェンジにて現在お申し込み可能な電気料金プランは市場連動型ではないプランです。エルピオでんきについては市場連動プランのみお申し込み受付を停止しております。
これ以外にも多くの電力会社があります。ここに記載のない電力会社の場合は、まずは現在契約中の電気料金プランをマイページなどで確認してみましょう。
- auでんき
- ソフトバンクでんき
- ENEOSでんき
- 東邦ガスグループの電気
- 東京ガスの電気
- Looopでんき
- 楽天でんき
- 東急でんき&ガスのでんき
- HTBエナジー(HISでんき)
- eoでんき
市場連動型プランではない電力会社の電気料金プランなどを詳しく知りたい方はこちら
市場連動型プランはどれ?市場価格の影響を受ける新電力・電力会社まとめ
市場連動型プラン以外ではすぐにJEPXの価格の高騰の影響をすぐに受けることはありません。しかし、それぞれの電力会社が電源の調達にJEPXを利用している場合、仕入れにかかるコストが上がっています。将来的には電気料金プランの見直しなどが行われる可能性も考えられますので、電力会社からのお知らせなどがあれば確認しましょう。
各電力会社の市場価格高騰への対応をまとめました
市場価格の急激な高騰を受け、市場連動型プランを提供する各電力会社が対応を発表しています。2021年1月20日現在、電力会社ごとに確認できる情報を最新順にまとめました。
エネチェンジでは、新たな情報が発表され次第、こちらの記事も更新していく予定です。今後も市場価格がどのように変動するのか、また価格高騰を受けて「市場連動型プラン」を採用する電力会社各位がどのような対応をするのか、引き続き注目しておきましょう。
エネチェンジでは現在市場連動型プランへのお切り替えの受付を停止しております。
電力市場価格高騰の影響は?ハルエネでんきの請求内容に注意!
2021年1月中は「節電へのご協力のお願い」「カスタマーセンターの混雑状況について」が公式HP上で発表されたのみでしたが、2月8日に低圧・高圧契約者へ電気料金の請求について公式HP上で発表しました。次の文章は、低圧の契約者へのお知らせの一部抜粋です。
本年1月の電力取引価格の高騰は、2月のお支払金額(1月度ご請求書)に影響します。当社では、お客様のご負担を軽減・緩和するために、1月度ご請求書のうち調達調整費について、36回の分割払いを適用させていただきます。 お客様の分割対象金額の総額、分割各回のご請求金額、分割回数及び分割初回のご請求日は、当社のマイページ(URL: https://mypage.haluene.co.jp/)にて開示いたします。開示は、2021年2月20日を予定しております。
また、より多くのお客様にご理解を深めていただくため、1月度調達調整費の分割初回のご請求は、2月ではなく、3月とさせていただきます。※分割に伴いお客様において分割手数料等の追加的なご負担が発生することはございませんが、分割対象金額の全額のお支払いが完了する前に、理由の如何によらず解約される場合には、最終のご請求時に分割対象金額の残額が一括・合算して請求されることとなりますので予めご留意ください。
出典:【重要】※低圧(店舗、自宅等)のお客様※ 電力取引価格の一時的な高騰に伴うお客様の電気料金ならびに当社の対応に関するお知らせ(沖縄電力エリア及びサイサン・いちたかガスワン供給除く)|ハルエネでんき
ハルエネでんきの場合、電気料金は「基本料金(or最低料金)+電力量料金+再生可能エネルギー発電促進付賦課金±電源調達調整費(燃料費調整額+調達調整費)」で計算されます。このうちの、調達調整費が電力市場(JEPX)と連動しています。もし調達単価が基準値を超えた際は、値上がりした50%はハルエネでんき負担という契約内容になっています。
この2021年2月8日に発表されたお知らせについても2点気をつけたいことがあります。ひとつ目は、分割払いによって市場価格の高騰による影響が把握しづらくなっていること。2021年3月以降は電気料金の支払い明細をしっかり見て、どの程度の負担が発生しているか確認しましょう。ふたつ目は、36回の分割払い途中で解約してしまうと、残額が一括・合算請求になること。ハルエネでんきを解約検討している方は、今一度契約内容を確認してください。
現在契約中の電気料金プランでご不安な点があるようでしたら、電気・ガス比較サイト「エネチェンジ」までご連絡ください。法人のお客さまには「エネチェンジBiz」のスタッフがお答えします。(個人・法人のお客様の相談窓口の電話番号は、本記事の最後に記載があります)
自然電力「電力取引価格高騰に関する重要なお知らせ」
2020年12月26日から2021年1月にかけての市場価格の急激な高騰を受け、自然電力は「日本卸電力取引所(JEPX)電力取引価格高騰に関する重要なお知らせ」を公式HPにて公開しています。
自然電力の見方・対応についての具体的な内容は、以下のとおりです(一部抜粋)。
1月16日、「「自然電力のでんき」ご契約者の皆さまへ重要なお知らせ及びよくあるご質問」
2021年1月16日には、重要なお知らせとよくある質問についてのページが公開されました。こちらのページは随時更新されているので、切り替えの手続きなどをする際には最新情報を確認するとよいでしょう。
本記事では2021年1月20日18:00時点で掲載されている情報を参考にしています。
よくある質問で注目したいのは、「切替えまたは解約をしたい」の部分です。
「1)弊社から他社電力会社への切り替えをご希望される場合」「2)検針日以外(即日解約など)で切り替えをご希望される場合」の2つを紹介し、即日解約を行う場合の注意喚起も行っています(一部抜粋)。
【ご注意】即日解約は停電する可能性がございます。
電力供給の停止・再点は一般送配電事業者が行っており、万が一停電が起きた場合も弊社では対応ができないため、新規にお申し込みされた電力会社へお問い合わせいただく必要がございます。以下、必ずご一読ください。また、小売電気事業者、また送配電エリアによっては、このような対応を受け付けていないこともございますのでご注意ください。
出典:「自然電力のでんき」ご契約者の皆さまへ重要なお知らせ及びよくあるご質問|自然電力
事業者やお住まいのエリアによっては同一需要家(契約者)による同一地点での即日解約と当日中の電気の利用開始手続き(再点)を受け付けていない場合があります。当日利用開始ができないと停電の期間が発生するため注意が必要です。即日解約で別の電力会社の契約を希望する方は、必ずお申し込み予定の電力会社への確認を行いましょう。
1月11日、「日本卸電力取引所(JEPX)電力取引価格高騰に関する重要なお知らせ(第4報)」
第4報では、「12月26日からのご請求に関する値引き措置について」が共有されました(一部抜粋)。
12月26日からの日本卸電力取引所(JEPX)電力取引価格の高騰に関しまして、自然電力ではこの度、以下の内容で値引き措置を実施することといたしましたのでお知らせいたします。
・措置内容
お住まいの地域の大手電力会社(注)の電気料金を基準として、それを超える分の電気料金につきまして、30,000円を上限として電気料金より値引きさせていただきます。
(1月7日にご連絡いたしました事業運営費をゼロとする対応に加えて、上記値引き措置を実施いたします)
現時点の電気料金をご確認いただける機能を本日マイページにてリリースいたします。また、基準となる大手電力会社の電気料金との比較について、追ってマイページでご確認いただけるよう準備しております。・値引対象のご請求
1月ご請求分、2月ご請求分
※1月ご請求分と2月ご請求分の値引き合計を最大30,000円といたします。・対象となるお客様
①「自然電力のでんき」に低圧電力または従量電灯でご契約のお客様
②12月26日以降、「自然電力のでんき」をすでにご解約・または解約手続きを進めているお客様
※複数契約をされているお客様につきましては、1契約ごとの値引き措置を実施いたします。
出典:日本卸電力取引所(JEPX)電力取引価格高騰に関する重要なお知らせ(第4報)|自然電力
特に注目したいのは、「1月と2月分の請求分から最大30,000円を値引きする」の部分でしょう。市場価格高騰によって、電気料金が何倍にもなってしまうことが予想されますが、この値引き措置によって高額な支払いが多少緩和されそうです。
1月10日、「日本卸電力取引所(JEPX)電力取引価格高騰に関する重要なお知らせ(第3報)」
第3報では、問い合わせの多い質問について、カスタマーサポートの現況についてを共有しています。
そのなかでも、「【お急ぎでお切替えを希望される場合】」として、「現電力会社名」「ご契約名義」「お客様番号」「供給地点番号」の情報を用意したうえでの急ぎの切り替え方法を提示しています(一部抜粋)。
【お急ぎでお切替えを希望される場合】
上記情報をお手元にご用意いただき、切替え先の電力会社へ直接お電話等でご確認いただきますようお願いいたします。切替え先の電力会社にお申し込みのあとは、切り替え先の電力会社より自然電力宛てに手続きの通知がありますので、お客様からの弊社へのご連絡は不要です。
※通常、切り替え日は次回検針日となることが一般的です。次回検針日より少なくとも3営業日以上前のお申し込みの必要があります。具体的な申し込み期限については、お手数ですが、切り替え先の電力会社に直接お問合せください。
出典:日本卸電力取引所(JEPX)電力取引価格高騰に関する重要なお知らせ(第3報)|自然電力
1月8日、「日本卸電力取引所(JEPX)電力取引価格高騰に関する重要なお知らせ(第2報)」
第2報では、カスタマーサポートの現状と問い合わせの多い質問についての情報を共有しています。
問い合わせの多い質問について、以下にの3つを挙げています。
- 1)現在の利用料金の確認方法
- 2)事業運営費のご請求
- 3)「自然電力のでんき」のご解約方法
出典:日本卸電力取引所(JEPX)電力取引価格高騰に関する重要なお知らせ(第2報)|自然電力
1月7日、「日本卸電力取引所(JEPX)電力取引価格高騰に関する重要なお知らせ」
弊社内で検証した結果、1月の市場連動価格を参照する範囲では、現時点で、前年と同量の電気を利用した場合、お客様に請求する電気料金が平均で2~3倍、状況によってはそれ以上になる可能性があります。弊社による各専門家へのヒアリング等の情報では1月中は現状が継続する可能性が高いとされていることから推測しています。
弊社としまして、このような状況を踏まえて、12月26日以降1月末までの高騰期間における環境価値を購入する費用を除く「事業を行う費用」についてお客様に請求しないこと(自然電力としての実質利益ゼロ円)として、対応させていただきます。
また、今後の調査や価格動向の変化に応じて、定期的な情報発信についても検討を進めてまいります。
出典:日本卸電力取引所(JEPX)電力取引価格高騰に関する重要なお知らせ|自然電力
自然電力は、「事業を行う費用」を請求しない対応を取ると通知していますが、「2月以降も予断を許さない状況であると考えている」としています。このまま、価格の高騰が続くと、毎月の電気料金も急激に高くなってしまうことが予想できます。
ハチドリ電力「電力取引価格の高騰に関するお知らせと対応について」
2021年1月8日、ハチドリ電力が電力卸取引価格の急激な高騰を受け、公式HPにて対応を発表しています(一部抜粋)。
ハチドリ電力は電気を購入する費用に利益を乗せずにお客様にお届けしておりますが、今の調達価格そのままではお客様に請求する電気料金が2~3倍またはそれ以上となる可能性もあります。
これを避けるため、今回の電力取引価格の異常高騰が収まるまでの間、ハチドリ電力が割引をする形で負担させていただければと存じますのでご安心ください。
この異常高騰分の電気料金負担により月に数千万円の赤字が見込まれますが、ハチドリ電力の仲間になってくださった皆さまのご期待に背くことのないよう最善を尽くしてまいります。
出典:電力取引価格の高騰に関するお知らせと対応について|ハチドリ電力
ハチドリ電力は、2020年12月26日から2021年2月28日までの使用分の電気料金のうち、お住まいの地域の旧一般電気事業者(東京電力、関西電力など)の従来プランを基準とし、異常高騰分の電気料金はすべてハチドリ電気が負担すると発表しています。
みんな電力「卸電力市場の価格高騰に伴う2月以降の電気料金への影響と対応につきまして(個人・法人低圧契約のお客さま※)」
2021年1月8日、みんな電力が公式HPにて2月以降の電気料金への影響と対応を発表しています(一部抜粋)。
みんな電力は、電源コストを6カ月平均で調整する「電源コスト調整単価(みんなワリ)」という仕組みを採用しております。このため、電気料金が急激に高騰するようなことはございませんが、卸市場価格に連動するFIT電気の仕入れ価格の上昇分が2月以降の電気料金に反映される見込みです。
また、影響を受ける2月の電気料金については、料金シミュレーションにて使用量に応じた電気料金(実請求金額)をご確認いただくことができます。
※一部高圧法人含む
出典:卸電力市場の価格高騰に伴う2月以降の電気料金への影響と対応につきまして(個人・法人低圧契約のお客さま※)|みんな電力
みんな電力は、電源コストを6カ月平均で調整する「電源コスト調整単価(みんなワリ)」を採用しています。そのため、電気料金が急激に高騰することはないとしています。負担を緩和するための対応として、「今後も、電力価格の動向を確認いたしまして、お客さまのご負担が過度に増加しないよう対策を講じてまいります。」とも発表しています。
テラエナジー「電力市場高騰による電気料金への影響について」
2021年1月11日、テラエナジーが「電力市場高騰による電気料金への影響について」を公開しています(一部抜粋)。
この影響は、正直どれほど続くのかということははっきりとした見通しが立ちませんが、2月末まで続くのではないかと言われています。気温上昇につれて電力需要も落ち着き、市場の価格も安定し、従来のリーズナブルな電気料金でお届けできると見込んでいます。
出典:電力市場高騰による電気料金への影響について|テラエナジー
テラエナジーは、契約者の電気使用量をもとに2021年の電気料金シミュレーションを公開しています。冒頭で、「ただいまご契約いただいている皆さまへの負担を少しでも軽減できるような対策を取れるよう、協力各社との調整を進めています。」という一文もあります。今度どのような対応を取るのか、続報に注目しておきましょう。
ダイレクトパワー「電気代高騰に関する重要なお知らせ」
ダイレクトパワーは、市場価格の高騰を受けて、見方・対応を公式HPにて公表しています。
「電気代高騰に関する重要なお知らせ(第2報)」
ダイレクトパワーは、追加の情報として、以下3つについてお知らせしています。
- 弊社の対応につきまして
- 電力契約のお切替を希望の場合
- お客様へのお願い
出典:電気代高騰に関する重要なお知らせ(第2報)|ダイレクトパワー
「電気代高騰に関する重要なお知らせ」
2021年1月12日、ダイレクトパワーが公式HPにて、「電気代高騰に関する重要なお知らせ」を掲載しています(一部抜粋)。
このような状況を踏まえて、お客様の価格高騰回避のために、できる限りスムーズな対応を取りたいと考えています。通常、当社プランは契約切替時期以外に頂戴している解約手数料2000円(税別)を無料といたします。お客様には、次の電力会社をご検討・切替手続きして頂くと、解約手数料なしで当社電力から切替が可能になります。
ダイレクトパワーは、「お客様の価格高騰回避のためにできる限りスムーズな対応を取りたいと考えている」としています。通常かかる解約手数料なしでダイレクトパワーから他の電力会社・プランへの切り替えができるようになりました。
「市場連動型プラン」とは?日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格に連動して電気料金単価が決まるプランです
「市場連動型プラン」で用いられる「市場」とは、日本で唯一、電力の売買ができる市場である「日本卸電力取引所(JEPX)」のことです。
電気料金単価があらかじめ決まっているプランに対し、「市場連動型プラン」は、単価が固定されていません。JEPXの取引価格(=市場価格)に連動して、30分ごとに電気料金単価が決まります。
「JEPX」は、「ジェーイーピーエックス」または「ジェイペックス」などと読まれることが多いです。
市場価格と連動して単価が決まる電気料金プラン以外にも、電源の調達にかかる費用の一部として「電源調達調整費」や「電源調達コスト」などが電気料金に含まれるプランもあります。これらのプランについては「市場連動型プラン」と説明がされていない場合もありますが、市場価格の影響を一部受ける電気料金プランのため、広義の「市場連動型プラン」といえるでしょう。
出典:2021年電力緊急事態対策 第3弾、1日の問い合わせ件数、切り替え件数ともに平常時の3倍に急増 2種類の市場連動型プランと、各社対応を緊急解説 | ENECHANGE株式会社
電力会社が日本卸電力取引所(JEPX)を使う理由
新電力(電力自由化で参入した電力会社、小売事業者)の多くは自社で発電施設を持っておらず、発電施設を持っていたとしても、契約者すべての電力を自社でまかなっているとは限りません。そのため、自社でまかないきれない電力をJEPXで調達しているのです。
注意!取引価格=料金単価ではありません
日本卸電力取引所の取引価格がそのまま電気料金単価となるわけではなく、託送料金(送配電網の利用料金)をはじめとする各種費用が加算され、最終的な電気料金単価が決まります。よって、「市場連動型プラン」の電気料金単価がJEPXの取引価格ではありません。注意しましょう。
「市場連動型プラン」のメリットとデメリット!電気料金はどうなる?
「市場連動型プラン」のメリットとデメリット、リスクになりうる状況をご紹介します。
「市場連動型プラン」のメリット
市場価格が安い状態が続く、もしくは市場価格が安い状態のときに電気を使うことができれば、電気料金を抑えることが可能です。
たとえば下記のケースに当てはまる場合は、「市場連動型プラン」を利用するメリットが大きいでしょう。
- 市場価格に応じて電気使用量をコントロールできる場合
- 市場価格が高騰している時間帯は節電する・家電の使い方を工夫するなど、市場価格の変動に応じて電気使用量をうまくコントロールできれば、電気料金を抑えることが可能です。
- 深夜から早朝までの時間帯の電気使用量が多い場合
- 市場価格は日中の需要が多い時間帯に高まり、深夜から早朝の時間帯は安くなります。そのため、深夜から早朝の時間帯に電気を使う割合が多い場合は、割安な料金単価で電気を使うことが可能です。
「市場連動型プラン」のデメリット
市場価格を予期することは難しいために予算管理がしづらいほか、市場価格が高騰した場合のリスクヘッジが取りづらいという点は、デメリットとして挙げられます。
「市場連動型プラン」を契約する場合、下記のようなケースの対応を想定しておくことが好ましいです。
- 請求書が届くまで電気料金がわからない
- 市場価格は、その時の需要と供給のバランスによって大きく変化します。「市場連動型プラン」はその名のとおり、市場価格に連動するため、事前に料金単価がわからず、請求書が発行されるまで、その月の電気料金がわからないということも考えられます。
- 市場価格の高騰に対してあらかじめリスクヘッジがしにくい
- JEPXでは値幅制限がないため、潜在的に電気料金が高騰する恐れがあります。市場価格を予測することは難しく、予測できたとしても、市場価格が高騰している時間帯の電気使用量を抑えることは容易ではない場合がほとんどでしょう。
「市場連動型プラン」でなくとも、市場価格の影響を受ける契約もあります
「市場連動型プラン」を契約していないから影響はない、とは言い切れません。「市場連動型プラン」とうたっていない電気料金プランであっても市場価格の影響を受ける場合があります。
電気料金単価はあらかじめ決まっていますが、「電源調達調整費」「電力調達コスト調整費」などの市場価格に連動する費用の項目を設けた電力会社もあります。
<訂正>2021年1月7日12時27分〜1月12日15時58分の間、「『市場連動型プラン』でなくとも、市場価格の影響を受ける契約」として「ゼロワットパワー」の掲載がありましたが、誤りでした。関係者の方々、および読者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。
ハルエネでんき
2018年5月11日、法人の契約者向けプランに対し、ハルエネでんきは、電源の仕入価格変動にともなった「調達調整費」を「燃料費調整額」に合算し「電源調達調整費」として契約者に請求することを発表しました。
エフエネでんき
エフエネでんきの電気需給約款_別表を確認すると、以下のように記載されています。
各契約種別における料金につき、一般社団法人日本卸電力取引所のスポット市場取引における、毎月 1 日からその月の末日までの期間で 13 時から 22 時の時間帯における各地域のエリアプライス平均値(以下、「調達単価」といいます。)に応じて、以下に定める調達調整費の還元または追加請求を 行うものといたします。
なお、市場価格に連動することから、電気料金に対して加算されることも減算されることも想定されます。
また、これらの費用の算出方法は電力会社によって異なります。JEPXのエリアプライスの1カ月の単純平均と旧一般電気事業者の燃料費調整額から算出する場合、過去3カ月分の加重平均と再エネ電源(FIT)といった複数の調達方法の比率によっても変わる場合などがあります。
今一度、お手元の電気料金の明細に記されている項目やご契約の電力会社の公式サイトなどで内容の確認をおすすめします。
「市場連動型プラン」の電気についてのご不安な点やご相談はエネチェンジのサポート窓口まで
「市場連動型プラン」の特徴のほか、「市場連動型プラン」のメリットが大きいケースとデメリット、リスクになりうる状況を紹介しました。
「市場連動型プラン」は、JEPXの市場価格に連動して電気料金単価が決まるプランです。変動に応じて電気の使い方の工夫ができれば電気料金を抑えることができますが、事前に料金単価がわからないので請求書が発行されるまでその月の電気料金がわからないというデメリットもあります。
2021年1月現在、市場価格が高騰しているため、電気料金が数倍にも高くなってしまうことが予想されます。「市場連動型プラン」を契約中の方は、内容を確認し、電気料金プランの見直しも検討することをおすすめします。
電力会社・プランの見直しには、ぜひエネチェンジをご利用ください。
「市場連動型プラン」について、よくある質問をまとめました
現在、エネチェンジでは、市場価格の高騰や市場連動プランに関する問い合わせが多く寄せられています。よくある質問をまとめました。
自分が契約しているのが「市場連動型プラン」かどうかわからない
「市場連動型プラン」を採用している電力会社、市場価格の高騰に影響を受ける可能性の高い電力会社は以下の通りです。
旧一般電気事業者や新電力など、多くの電力会社は市場価格が高騰しても直ちに影響を受けることはありません。契約している電気料金プランは検針票やマイページから確認できるので、気になる方は一度見てみるとよいでしょう。
- 従量料金が市場と連動する「市場連動型プラン」を提供している電力会社
- 自然電力、エルピオ(市場連動プランのみ)、ダイレクトパワー、テラエナジー、ハチドリ電力など
- 電源調達費など、電気料金の一部が市場と連動するプランを提供する電力会社
- ハルエネでんき、エフエネ、ジニーエナジー、みんな電力、めぐるでんき、おトクでんき、アスエネなど
上記の電力会社は一例です。すべての「市場価格高騰に影響を受ける可能性の高い電力会社」をリストアップしたものではありません。また、順不同での掲載としています。
「市場連動型プラン」を提供する電力会社以外でも「燃料費の高騰など社会的経済的に当社に大きな影響を及ぼす事象が発生した場合、一定期間の告知をもって約款の変更をする」などの条項が約款で定められている場合があります。電力会社からの案内などが届いたら、内容をしっかり確認しておきましょう。
今すぐプランを切り替えたい!新しい電力会社には、いつ頃切り替わりますか?
「市場連動型プラン」を契約している方から、すぐに新しい電力会社に切り替えたいけれど、いつ切り替わるのか知りたい」という質問も多く寄せられています。
新しい電力会社に申し込みをすると、通常は直近の検針日に新しい電力会社に切り替わります。かかる期間は、約2週間~1カ月を見込んでおくとよいでしょう。
しかし今回は早急に切り替えたい方が多く、緊急のプラン変更や急ぎの切り替え対応を行っている電力会社もあります。まずは、今契約している電力会社のHPで、どのような対応をしているのか確認しておくようにしましょう。
「市場連動型プラン」について、さらに詳しく知りたい方はエネチェンジまでお問い合わせください!
「うちの会社、わたしの家の契約している電力会社・プランはどうなんだろう……」と不安に思った方もいるでしょう。
エネチェンジでは、現在ご契約されている電力会社・プランについて、特徴やメリット、デメリットを知りたいというご相談をいつでも受け付けています。もちろん費用はかかりません。どうぞお気軽にお問い合わせください。
「エネチェンジ」のスタッフがお答えいたします。
- 電話でのお問い合わせ
- 0800-333-7107(日曜日と12月31日〜1月2日を除く、10時から17時)
- Webでのお問い合わせ
- 「よくある質問・お問い合わせ」をご利用ください。
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- 電話でのお問い合わせ
- 03-6774-6607(平日、10時から18時)
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- 電話でのお問い合わせ
- 03-6774-6607(平日、10時から18時)
- メールでのお問い合わせ
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- Webでのお問い合わせ
- 「卸売価格の高騰に関連した、新電力向けご相談窓口設置のお知らせ」をご利用ください。