省エネを意識すれば、電気代の節約にも!私たちができる省エネとは?
この記事の目次
みなさんは毎日の生活の中で、省エネって意識していますか?
省エネとは何なのか、どうして大切なのかを解説します。またすぐにできる省エネ対策も紹介します。省エネで電気代を節約しながら、地球環境のためになる電気の使い方について考えてみましょう!
- 更新日
- 2021年2月4日
「省エネ」とは?
省エネ(省エネルギー)とは、電気やガスなどのエネルギーを効率よく使うことをいいます。エネルギーは私たちの生活に欠かせないものですが、エネルギー資源には限りがあるため省エネでエネルギーの無駄遣いをしないように心がけることは大切です。
国としても省エネに積極的に取り組んでいて、「省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)」という法律があります。省エネ法はオイルショックを機に制定され、工場等・輸送・建築物や機械器具の省エネに関してさまざまな措置を定めています。
- 工場等
- エネルギー使用量に応じて義務を課す、電気使用時間の指針を示す
- 輸送
- 輸送能力・輸送量などに応じて届出をさせる
- 建築物や機械器具
- 自動車・家電製品・建材などの性能水準に、省エネ基準(トップランナー基準)を設ける
省エネ法におけるエネルギーとは、以下に示す原油・ガソリン・可燃性天然ガス・石炭などの燃料、燃料を熱源とする上記・温水・冷水などの熱、燃料を起源とする電気(太陽光・風力・廃棄物発電などは対象外)を対象としています。出典:省エネ法の概要|資源エネルギー庁
なぜ今、「省エネ」が大切なの?
地球温暖化・森林破壊・海洋汚染・大気汚染・生物多様性の減少など、環境問題は国際的な課題となっています。
また、日本はエネルギー資源のほとんどを輸入に頼っているので、安定した資源確保のための対策が必要です。
省エネは電気やガス代などの光熱費を節約できるだけでなく、環境問題や日本のエネルギー問題のためになるんです!
「省エネ」で毎月の電気やガス代を節約できる!
電気・ガスなどのエネルギーを無駄なく使って省エネすれば、毎月の電気代・ガス代など光熱費の節約につながります。
- エアコンの冷房使用時間を1日1時間短くする
- 消費電力量年間約18.78kWh省エネ、電気代年間約510円節約
- エアコンの暖房使用時間を1日1時間短くする
- 消費電力量年間約40.73kWh省エネ、電気代年間約1,100円節約
冷房時の設定温度を28℃、暖房時を20℃とした場合です。参照: 無理のない省エネ節約|家庭向け省エネ関連情報|資源エネルギー庁
- シャワーの使用時間を1分間短くする
- ガス使用量年間約9.16m3省エネ、ガス代年間約1,331円節約
水20℃を45℃のお湯にして1日1分(12L/分)シャワーで使った場合で、都市ガスの発熱量はkcal/m3でガスのエネルギーの90%を温度上昇に使うと仮定して計算しています。ガス代=45-20(℃)×12(L)×90%÷発熱量10,750(kcal/m3)×ガス料金145.31(円/m3)
シャワーの省エネについて、さらに詳しくは以下の記事で説明しています。お風呂のガス代っていくら?シャワーのほうがお得なの?
家庭内のエネルギー約57%は給湯・冷房・暖房に使われている!
出典:省エネって何?|家庭向け省エネ関連情報|資源エネルギー庁
お風呂や台所で使う給湯、エアコンなどの冷房・暖房にかかるエネルギーを無駄なく使えると、家庭内のエネルギーを効率よく省エネができます。
「省エネ」は地球の未来を考えることにつながる!
環境問題の中でも、地球温暖化による異常気象・海面上昇・生態系への影響などは大きな問題のひとつです。地球温暖化が進行すると、魚介類・畜産・農作物の収穫量が減る、夏の暑さがさらに厳しくなる、海岸浸食・高波などの沿岸被害が増えるなど、私たちの日常にも大きな影響があります。
地球温暖化は二酸化炭素など温室効果ガスの排出が原因となっていて、電気・ガスなどのエネルギーをつくったり使ったりするときに排出される二酸化炭素は、2018年度で全体の約85.2%を占めています。
省エネで電気やガスのエネルギー量を減らすと、その分の二酸化炭素の排出が削減ができるため、地球温暖化対策になります。
参照:表1温室効果ガスの排出状況(2018年度速報値)|2018年度における地球温暖化対策計画の進捗状況|令和2年3月30日地球温暖化対策推進本部
「省エネ」はエネルギーの安定した供給につながる!
日本はエネルギー自給率が低いといわれています。国内で算出できるエネルギー資源が少ないため、多種多様なエネルギー資源をバランスよく組み合わせて効率よく使うことが課題となっています。
安心して生活するためには、エネルギー資源を安定的に確保していく必要があります。省エネで限りあるエネルギー資源を無駄なく使うことは、エネルギーの安定供給につながります。
「3E+S」は大切なエネルギー源を継続的に安定して供給するための基本方針です
安定したエネルギー供給のために、日本のエネルギー政策では「3E+S」を同時に実行することを基本方針として、さまざまな取り組みが行われています。
- 自給率(Energy Security)
- 安定的・継続的な供給、自給率の向上
- 【目標自給率】2013年度 約6.6%・2018年度 約11.8%⇒2030年度 おおむね25%程度
- 経済効率性(Economic Efficiency)
- 低コストでの供給
- 【目標電力コスト】2013年度 9.7兆円⇒2030年度 9.5兆円
- 環境適合(Environment)
- 温室効果ガスの排出削減など環境への影響を考慮する
- 【目標温室効果ガス削減率】2030年度 2013年度比26%減
- 安全性(Safety)
- 安全なエネルギー供給
私たちにもできる「省エネ」とは?すぐにできることを見てみよう
「省エネが大切なのはわかったけど、私ひとりだけでできることなんて小さなことばかりだし」と考える方もいるかもしれませんね。実は、家庭で使うエネルギーの約51.2%は電気、約32.1%が都市ガス・LPガスとなっています。
私たちひとりひとりが、毎日の生活の中で電気やガスの使い方を見直すだけでも十分省エネ効果があるんです!
出典:省エネって何?|家庭向け省エネ関連情報|資源エネルギー庁
でも省エネをしようと思っても、具体的に何をしたらよいのかわからないですよね。自宅ですぐにできる省エネを具体的に見ていきましょう。
スイッチをこまめにオフ!待機時の消費電力を減らして「省エネ」
少し前のデータになりますが資源エネルギー庁によると、2012年度の1世帯あたりの待機時消費電力量の平均は年間228kWh(電気代約6,156円/年)で、年間消費電力量の約5.1%となっています。電気代は27円/kWhで計算しています。
使わない家電製品の待機時の消費電力は、主電源を切って省エネをしましょう。
- 使わない家電製品の電源プラグはコンセントから抜いておく。
- 一定時間使わないと自動的に電源がオフになったり省エネモードになったりする機能の家電製品を選ぶ。
参照:平成24年度エネルギー使用合理化促進基盤整備事業(待機時消費電力調査)報告書概要|資源エネルギー庁 省エネルギー対策課
エアコンの使用方法の工夫で消費電力を減らして「省エネ」
エアコンの設定温度を上げすぎたり下げすぎたりしてしまうと、その分消費電力が大きくなってしまいます。エアコンは適切な設定温度で使って省エネに取り組みましょう。
設定温度のほかにも、使い方をちょっと工夫するだけでエアコンの省エネがカンタンにできます。
- 冷房時の室内温度の目安は28℃、暖房時は20℃にして設定温度を調整する。
- 扇風機やサーキュレーターを一緒に使って、室内の空気を循環させて温度を均一にする。
- エアコンは必要なときだけ使うようにして、使用時は自動運転にする。
- エアコンのフィルターを定期的に掃除する。
- 室外機は直射日光が当たらない風通しのよいところに置き、室外機の吹出口の前に物を置かない。
- 室外機を定期的に掃除する。
- カーテンやブラインドをしっかり閉めて、窓からの熱気や冷気の出入りを遮断する。
エアコンの省エネについて、さらに詳しくは以下の記事でまとめています。エアコンの暖房・冷房設定温度の目安は何度?
照明をLEDに取り替え消費電力を減らして「省エネ」
照明をLEDに替えるのもおすすめの省エネ方法です。
LED照明は白熱灯や蛍光灯に比べて寿命が長く少ない消費電力でも明るいのが特長です。
74Wの蛍光灯シーリングライトを30.6WのLEDシーリングライトに替えるだけで、年間約142kWh(電気代約3,849円/年)の省エネになります。
照明の取り替え時期がきたら、LED照明を積極的に検討してみてはいかがでしょうか?
パナソニックの蛍光灯シーリングライト「HHFZ5243(6~10畳)」とLEDシーリングライト「HH-CE1044A(~10畳)」を、1日9時間毎日点灯した場合で比較しています(小数点以下切り捨て)。
LED照明(LEDシーリングライト)について、さらに詳しくは以下の記事でまとめています。LED照明に変えると電気代がどれくらいお得になるのか、実際の部屋で比較してみました
新しい家電製品を買うときは省エネ性能のよいものを選んで「省エネ」
家電製品を購入するときに省エネルギーラベルをチェックしていますか?家電製品には省エネ性能を示す省エネルギーラベルが貼られています。
最近の家電製品は省エネ効率がよくなっているので、省エネ性能の高い家電製品を選ぶと省エネで電気代も節約できます。
どれくらい省エネ効率がよくなっているのか、冷蔵庫・エアコン・液晶テレビの場合で見てみましょう。
- 冷蔵庫
- 2009年と比べて、2019年の401~450Lの冷蔵庫は約40~47%省エネ
- エアコン
- 2009年と比べて、2019年の省エネタイプのエアコンは約17%省エネ
- 液晶テレビ
- 2010年と比べて、2019年の40V型液晶テレビは約42%省エネ
参照:機器の買換で省エネ節約|家庭向け省エネ関連情報|資源エネルギー庁
省エネ性能の高い家電製品は購入時に費用はかかりますが、長い目でみると電気代も節約できて家計にもやさしいですね。
家電と電気代の関係について、さらに詳しくは以下の記事で解説しています。電気代が高い理由のひとつは古い家電のせいだった!古い冷蔵庫・エアコン・洗濯機の電気代はいくら?
電気を使う時間帯を早朝や夜間にずらして「省エネ」
電気使用量が多い日中の時間帯を避けて、電気を使う時間帯を早朝や夜間にずらす(ピークオフ)ことも省エネにつながります。
ピークオフは電気の使用時間をずらすだけで、電気の使用量は変わらないため、1世帯あたりでみると電気代の節約にはなりますが省エネにはなりません。ただし、日本全体でみると省エネになるんです。
電気はためておけないため、いつも電気の需要量に合わせて発電して供給できるようにしておく必要があります。日本全体で一度に使う電気の使用量が多くなり需要量が増えるほど、最大需要量に合わせて発電所などの設備を大規模にしたり、数を増やしたりしなければなりません。
日本全体で電気を使う時間をずらして1日の電気使用量が常に一定になると、発電所などの設備を増やさずに効率よく発電して電気を供給できるため、ピークオフも省エネにつながる行動のひとつなんです。
さらに電力会社も新しく設備に投資する必要がなくなるので、電気料金の値上がりもしにくくなります。
巻口に聞きました!電力自由化によって、私たちの生活・省エネ・節電は、何が変わりましたか?
2016年4月から始まった電力自由化によって、私たちの生活・省エネ・節電は、何が変わったのでしょうか?元東京電力の執行役員/現エネチェンジ顧問、さらに消費生活アドバイザーでもある電気のスペシャリスト・巻口に聞いてみました。
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省エネという切り口でみると、電力自由化で何か変わったことはありますか?
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まずは、みんなが電気・電気代・電力会社について考えるようになったよね。やっと第一歩を踏み出したといえます。次は、みんなが電気やエネルギーの使い方を意識するようになるとよいですよね。
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エネルギーの使い方、つまりそれは省エネを考えるということ?
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そうです。自分の電気の使い方を知って、「もっとよい使い方がないかな?」と考えて、日々の生活の中で工夫していくということ。
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私も電力会社を切り替えたのですが、使い方を考えたり工夫したりというレベルには至っていません。正直、スマートメーターになって30分ごとの電気使用量が見えるようになっても、何をしてよいのかわからないんです。
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たしかに、スマートメーターで30分毎の電気使用量は見えるようになったけど、それだけでは行動を起こす動機付けにはならないよね。データだけあってもだめで、そのデータをどう使うかがポイントなんです。
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データの使い方ですか。
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そう。例えば、データを扱う側からすると、スマートメーターのデータを分析することで、こんなこともできたりします。
- 各家庭ごとにカスタマイズされた節約や省エネのアドバイスができる
- 今の電気料金プランが生活スタイルと合っているかを、より正確に診断できる
- 「家電を使う時間帯を◯時間遅らせて電気料金プランをこれに変更すると、もっと節約できるよ」という情報をお届けできる
よりひとりひとりに合わせた提案ができるんです。あとは、みんなのデータをみることで消費者の生活実態にあわせた電気料金プランを開発することも可能。
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「私にあわせたアドバイス」がもらえるのは嬉しいですね。
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HEMSやスマートハウスの分野では、家電毎の使用状況が見えるようになったり、スマートフォンと連携して外出先から家電のスイッチのオンオフができるという技術も登場しています。見え方が変わったり、私たちのできることが増えると、節電や省エネに対しての意識も高まるし、実際の行動にもつながるよね。
電力自由化で電力会社・電気料金プランが選べるようになった、スマートメーターのデーターで30分毎の電気使用量をチェックできるなど、毎日の電気の使い方を意識しやすくなりました。
それぞれの生活スタイルに合わせて電気の使い方をじょうずにコントロールして節電すれば、効率よく省エネができます。
「省エネ」を意識すれば、暮らしが変わる!私たちひとりひとりの取り組みが大切です
省エネとは何か?なぜ省エネが大切なのかを解説し、私たちにできる省エネを紹介しました。また巻口のインタビューでは、電力自由化によって電気の使い方が把握できるようになり、省エネ・節電に取り組みやすい環境になってきていることがわかりました。
電力自由化で電力会社・電気料金プランが選べるようになり、30分毎の電気使用量を把握できるようになったりして、電気について今までよりも関心をもつようになったという方も多いでしょう。次はもう1歩進んで、電気をどう使えば効率よく省エネができるのかを考えてみませんか?
エネルギーは私たちの生活に欠かせないものです。省エネで限りあるエネルギー資源を効率よく使うことは電気代・ガス代などを節約できるだけでなく、地球環境やエネルギーの未来のためにもなります。
たった一人で省エネを心がけても効果は少なく思えますが、私たちひとりひとりがみんなで省エネをすれば大きな成果が得られます!毎日の生活の中でできることなので、ぜひ積極的に省エネをしましょう。
エネチェンジ電力比較でエコな電気を選んで「省エネ」!
再生可能エネルギーやFIT電気の比率が高いエコな電気を選ぶことも、省エネにつながります。
太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなどの再生可能エネルギーを利用した発電方法では、発電時に温室効果ガス(CO2)の排出量を削減できるため、地球温暖化対策になります。また再生可能エネルギーの普及により化石燃料への依存度を低くできれば、エネルギー自給率を上げられるだけでなく、化石燃料の輸入時の運搬にかかるエネルギーの省エネにもなります。
FIT電気とは、再生可能エネルギーで発電した電気のうち、固定価格買取制度(FIT制度)を利用して買い取られた電気をいいます。
エネチェンジ電力比較の「電気のこだわり条件を設定する」でエコな電気を選ぶ
エネチェンジ電力比較では、再生可能エネルギーやFIT電気の比率が高い電気料金プランが探せます。
エネチェンジ電力比較の「電気のこだわり条件を設定する」で「再生可能エネルギーで発電」という項目を選ぶと、再生可能エネルギーやFIT電気が多く使われている電力会社のプランに絞られます。
いくつかのプランを比較して、あなたにピッタリのエコな電気料金プランを選んでみましょう。
環境にやさしいエコな電気の選び方やおすすめの電気料金プランについて、さらに詳しくは以下の記事で紹介しています。自然環境にやさしい電気を使いたい!エコな電気料金プランを紹介