エコで安心。お酢を使った殺菌テクニック
この記事の目次
お酢には殺菌効果があるという話を聞いたことはありませんか?「傷みやすい魚は酢でしめて長持ちさせる」という調理方法が昔からあるように、酢はモノを腐らせにくくしたり、傷みにくくさせる効果があるようです。酢で殺菌、お酢の不思議な力に迫ってみましょう。
お酢を使うと、食べ物が傷みにくくなる
料理を傷みにくくさせるために酢を使うという知恵は昔から伝わってきて現代にいたります。たしかに酢を使った料理や、酢で味付けしたものは傷みにくいと感じますが、果たして実際に傷みにくいのでしょうか?
お酢を使うと傷みにくくなるのか、殺菌効果があるのかということを調べた実験があります。片方は普通のごはん、片方は酢飯。それぞれの細菌の数を調理直後と24時間後で比較したものです。その結果、普通のごはんは24時間後に細菌の数が激増したのに比べ、酢飯はほとんど細菌が増えていませんでした。酢を使うことで、細菌を減らすというよりも、繁殖を抑える効果があることがこの実験結果から分かります。
参照:お酢の殺菌効果 | 比べる×調べる | エフシージー総合研究所
お酢には殺菌効果も!
酢飯を使った実験では、お酢を使ったことで細菌の繁殖をおさえることが分かりました。一方、人間に害のある病原菌を対象にした実験では、お酢は殺菌効果があることが分かるはっきりした結果が出ています。
菌にお酢かけて実験したところ、お酢はサルモネラ菌やぶどう球菌、大腸菌を殺菌する効果があることが認められたのです。腸炎ビブリオに対しては濃度2.5%のお酢をかけたところ15秒以内に殺菌。サルモネラ菌やぶどう球菌は同じ濃度のお酢を使い10分以内に殺菌しています。ただしすべての菌に対して有効ではなく、セレウス菌やボツリヌス菌に対しては繁殖を抑える効果があったけれど、殺菌はできませんでした。それでも多くの菌の繁殖を抑える、または殺菌ができていることが確認できます。
参照:ミツカングループウェブサイト~ニュースリリース~
お酢が殺菌できる理由
こんなにすごい殺菌効果や静菌(菌の繁殖を抑える効果)効果があるお酢ですが、いったい何から、どうやって作られているのかご存じでしょうか。
お酢は英語で「vinegar」(ビネガー)ですが、これはフランス語の「vine」(ワイン)と「naigre」(酸っぱい)という言葉が由来のようです。つまり、お酢は「酸っぱいワイン」という意味なのですね。
それもそのはず、お酢はお酒に酢種を混ぜて加熱し、酢酸菌を入れて作るのです。酢酸菌の働きにより、お酒のアルコールが酢酸へと変わりお酢になります。この過程を「酢酸発酵」といいます。お酢は、発酵食品だったのです。
お酢での除菌方法
殺菌に使うお酢
殺菌として使えるお酢は、純粋なお酢です。りんご酢や米酢、赤ワインビネガーなどは砂糖やうまみ成分が入っているため殺菌に使うのには向きません。穀物酢やホワイトビネガーがおすすめです。
お酢スプレーを作ろう
お酢スプレーを作っておけば、気になる時に、気になる場所へ吹きかければ良いのでとても便利です。
- スプレーボトル
- お酢
- 水(水道水で良い)
- スプレーボトルにお酢と水を1:1の割合で混ぜ合わせます。
お酢スプレーは家の中の拭き掃除にも使えます。冷蔵庫やシンクの脇の作業台などはもちろん、トイレや床の掃除にも使えます。お酢スプレーを吹きかけてぞうきんでふき取って殺菌しましょう。
お酢でまな板とふきんを殺菌
まな板とふきんは濡れていることが多く、細菌が繁殖しやすいキッチンアイテムです。お酢を使って殺菌し、清潔に保ちましょう。
- まな板をよく洗います。
- ふきんをかぶせ、食塩を混ぜたお酢をかけて1時間おきます。
- そのあとまな板とふきんを水で洗い流します。
食塩を混ぜるのは、お酢は食塩と合わせることで殺菌能力がより高まるためです。もちろん食塩を混ぜなくても殺菌効果はあるので、「食塩を混ぜるのを忘れてお酢だけをかけてしまったからやり直し!」なんてことをしなくても大丈夫ですよ。
お酢で食中毒予防
暑い季節のお弁当は食中毒の心配があります。お酢には菌の繁殖を抑える力がありますので、お弁当箱に食べ物を詰めるまえに、お酢を含ませたキッチンペーパーでお弁当箱や蓋を拭いて消毒しましょう。
ごはんを酢飯にする、酢の物をおかずにいれるといった工夫をすることで食べ物が傷むのを防ぐことができます。おかずやごはんは熱いまま入れない、保冷材を付けるという工夫もしましょう。
お酢は優秀は殺菌アイテム
お酢の殺菌効果は昔から知られていた通りとても優秀です。また、食べ物であるため、食器や調理器具、食材にも安心して使うことができます。お酢を使ってキッチンをはじめ、家中をエコな方法で殺菌することができますので、お酢スプレーを作っておくと良いですね。
その他の除菌スプレーについてはこちらの記事で紹介しています